約30%の子どもが働く南パンジャブ州(パキスタン)

インドで債務労働をさせられる子ども

今月の児童労働ニュースをご紹介します!

非営利団体IDA(Insan Dost Association)によるサヒワルの3つ地域における調査によると、パキスタンでは、5歳から14歳までの子どもたち約31,000人が730箇所あるレンガ窯工場で働いていることが明らかになりました。

(IDAは非政治的また非営利的で、窯労働者やレンガ窯工場の人口統計の研究をしている社会福祉団体です。)

記事はコチラ↓
Dawn.com
‘Around 30 per cent of children forced into labour in Southern Punjab’
http://beta.dawn.com/news/1017988/around-30-per-cent-of-children-forced-into-labour-in-southern-punjab

この記事によると・・・

パキスタン・サヒワル地域で11,000人、オカラ地域で13,000人、パクパッタン地域で7,000人の子どもたちが働いていることが明らかになったそうです。また、子どもたちのほとんどは家族と一緒に窯工場で働いているとのことです。

こういった家族は債務労働者と呼ばれていて、借金返済のために親は子どもたちをも働き手にせざるを得ません。パキスタンの全人口のうち30%の人々は、衣食住、教育、医学といった基本的生活必需品を得られずにおり、この地域では子どもたちの30%が働いており、それはパキスタンで最も高い割合なのだそうです。「生きるために働かされてしまうのは子どもたちなのです」と非営利団体IDAの代表は言っています。

記事の中で非営利団体IDAの代表も言っていますが、児童労働廃止は法律で規定されている義務であり、またさまざまな国際連合条例に基づいた国際公約です。パキスタンは1993年に法によって債務労働廃止となりましたが、レンガ窯産業では未だに実施には至っていないのが現状です。

フリー・ザ・チルドレンでは・・・

フリー・ザ・チルドレンが支援しているインドでも債務労働と呼ばれる借金のかたに働かされる児童労働は法律で禁止(76年債務労働制(廃止)法)されているにもかわらず、まだまだ多くの子どもたちが働かされている現状があります。

児童労働の要因はさまざまありますが、[1]古くから子どもは家族を助ける貴重な労働力と考えられていること[2]両親が就学経験に乏しく、子どもの教育に対する理解が低い、ということもあげられます。

フリー・ザ・チルドレンでも、学校建設をする際には、スタッフが地域の家庭を訪問し、子どもを労働力と考えている親とコミュニケーションをとり、教育の大切さを伝え、理解を得ます。親や地域の考え方を変えていくことで、子どもたちが学校に集まるようになっていきます。

そして同時に、親の収入が向上するためのプロジェクトや、水・医療の支援のプロジェクトも行い、様々な側面から支援をすることで、子どもが働かずに村の人々が自立していくための手助けをしています。

インドの支援事業の詳細はこちら
http://www.ftcj.com/activity/india_pjt.html

(訳者:翻訳チーム 奈良香織 文責:浅田紀子)