世界の子どもたち:世界こどもの日&トイレの日にちなんで

11月20日は「世界こどもの日」です。1959年に「子どもの権利宣言」が、
1989年に「子どもの権利条約」が国連で採択された日で、今月はより
幅広く子どもの権利について考えてもらうために、また、更なる
子どもの権利擁護に向けて、東京では子どもの権利条約フォーラムが
11月16、17日と開催されます。

また、今年の国連の第67回総会で、飲料水の安全確保と衛生施設の建設を
推進することを目的に、毎年11月19日を「世界トイレの日」
定めることが決まりました。

11月の「世界子どもの日」と「世界トイレの日」の2つにちなんで、
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンが支援する地域の子どもたちから
声が届きましたので、ご紹介します。

 

◆インドの農村地域でのトイレ設置事業。
日本では、トイレはとても身近な存在です。ある統計によれば、一生のうち人は
平均3年間をトイレで過ごすと言われていますが、世界の人口の3分の1の
25億人もの人々は、清潔なトイレのない生活を送っています。

フリー・ザ・チルドレンが支援するインド・ラジャスタン州の農村貧困地域では、
各家庭にはトイレがありません。トイレがないことで、人々は野外で排泄せざるを
得ず、排泄物には病原菌がたくさんひそんでいるので、村が不衛生になり、
人々、特に、子どもたちは病気にかかるなどしてしまいます。
酷い時は下痢によって命を落とすこともあります。

トイレがないことは衛生面の問題を引き起こすだけではありません。個室の
トイレがないことによって、女の子たちは、学校に行くことをあきらめたり、
野外で用を足すときに危害を受けるなどのリスクがあります。

そこで、フリー・ザ・チルドレンでは、学校の敷地内にトイレを設置し、
トイレを使って排泄する大切さ、衛生的な生活の送り方などを伝えながら
安全な衛生習慣の定着を支援しています。

トイレを使って排泄することは、人間として基本的な権利です。もちろん、
子どもにとってもトイレを使って生活することは衛生的で安全な人生を送るために、
大切なことです。

このことを学んだインドの子どもからの声が届きました。
「トイレの後に手をきれいに洗うことが大切だということがわかりました」
「学校にきれいなトイレができて、嬉しいです。」

11月のトイレの日にあわせて、みなさんもぜひ、トイレの大切さについて
考えてみてください。
→11月9日にトイレについて考えるワークショップを大学生メンバーが企画
しています。よければ、きてください。(17時からFTCJ東京オフィスにて)

◆フィリピンの先住民族コミュニティでの水環境支援。
フリー・ザ・チルドレンは、フィリピンの先住民族「アエタ族」コミュニティの
自立に向けて支援を行っています。子どもが学校に通えるようになったり、
きれいな水にアクセスできるよう活動しています。

先月、支援先の5つのコミュニティに9つの水ポンプの設置を実施することができました。

工事の様子。まずは40メートルの地中深く井戸設置のために掘ります。

水ポンプが設置されるまでは、各家庭に水道がひかれていないので、各家庭の
子どもやお母さんたちは、10分以上歩いて水汲みをしなければいけませんでした。
雨が降った後は、道が滑りやすく、重たい水を運ぶのが大変で苦労していたけれど、
今は、家の近くに水ポンプができてすぐに水にアクセスできるようになり、
とても嬉しいといった声が支援地域からありました。

「水ポンプが家の近くにできてうれしいです!」

このフィリピンでの水ポンプ設置事業は、「TOTO水環境基金」の助成金と
集まった募金とあわせた資金で実施することができ、今年の4月から事業に
取組んでいます。水ポンプ以外には、これから、農作業に必要な水が得られるよう、
灌漑事業を実施したり、コミュニティの人々への水に関する研修を行い、
自分たちできれいな水を持続的に使えるよう知識をつけてもらいます。

支援地域のアエタのコミュニティの子どもたちとその家族、また、村のリーダーから
お手紙が届きましたので、一部をご紹介します。

***

2013年10月14日
親愛なるご支援くださる皆様へ

Apo Namalyari(アエタのコミュニティの神様)から祝福がありますように!

あなた方の水支援プロジェクトに、心から感謝申し上げます!
あなた方のおかげで、コミュニティ全体が、水を安全に利用して、飲めるようになりました。私たちのラカス・コミュニティー全体に恩恵をもたらせて下さりました。
あなた方の組織は、まるで、私たちの神様の使いのような存在です。
重ねて感謝申し上げますとともに、皆様の増々のご活躍をお祈りしております。

敬具
Kalanat Domulot(村のリーダー)より