ワールドカップと児童買春
アルジャジージャニュースの紹介です。
ワールドカップ開催まであと数カ月となったブラジル・フォルタレザでは、観光客による児童買春を防ぐための様々な活動が進められています。
フォルタレザではワールドカップ6試合が行われる予定で、国内外から多くの観光客が訪れることが予想されます。セアラ州人権事務局では、路上での売春を余儀なくされている児童への働きかけを行う職員と保護シェルターを、2013年のコンフェデレーションズカップの二倍に増やす計画です。
NGO団体National Forum for the Prevention of Child Labourによると、ブラジル国内で売春せざるを得ない児童は2012年時点で約50万人にのぼります。ブラジル国民の多くは、12歳から18歳の未成年との性的関係を犯罪と考えておらず、それが権力や経済的な要因と関係していることも理解されていません。
英国に拠点を置くHappy Childは、「It’s A Penalty – それは犯罪だ」キャンペーンを通してブラジルに旅行するサッカーファンの認識向上を促し、警鐘を鳴らしています。サンパウロに拠点を置くChildhood BrazilのFlora Werneckさんは「ブラジルにはすでに児童を保護する非常に強力な法律があり、必要なのは、これが犯罪行為であるという認識を人々に持たせること」だと言います。同団体ではFIFAとより良い関係を築くことで、スポーツイベントに教育的活動を組み入れることを目指しています。
また、Street Child World Cupでは、ワールドカップの開催前に、路上で生活をする児童が世界19カ国からリオデジャネイロに集まって、サッカーのトーナメント戦を行います。このイベントを通して、路上で生活する児童と彼らが直面しているリスクに対する社会の意識を高め、児童の性的搾取のリスクを減少させることを企図しています。
(要約 翻訳チーム:大藤千枝 文責:浅田紀子)