子どもの権利のために立ち上がったノーベル平和賞受賞者
今月11月20日は世界こどもの日(Universal Children’s Day)です。1954年の国連総会で制定された国際デーの一つです。1959年に「児童権利宣言」が、1989年には「子どもの権利条約」が国連で採択された日なのです。つまり、今月20日の世界子どもの日で、子どもの権利条約は採択25周年を迎えました。
ノーベル平和賞を選考する機関であるノーベル委員会は、ふたりの選考理由として、「権利を奪われ抑圧されている子どもや若者のために尽力し、全ての子どもの教育を受ける権利が守られるよう貢献した」ことをあげ、二人の活動を称えています。
お二人の受賞の知らせを聞き、私たちフリー・ザ・チルドレンも本当に嬉しく思っています。改めて心よりお祝い申し上げます。というのも、このお二人はフリー・ザ・チルドレンと深い関わりがある方たちだからです。
パキスタンでは、読み書きができる大人の割合は男性が70%ですが、女性は46%しかありません。女性には教育は必要ない、と考えるイスラム過激派が、女の子が教育を受けることを反対し、学校を襲撃したりしているのです。そこで、マララさんはそういった実態をインターネットを通じて世界に訴えるなどしていました。しかし、バスでの下校途中にイスラム過激派タリバンによって銃撃され頭を撃たれて大怪我を負いました。その後奇跡的に回復して、2013年には国連で女児の教育の権利を訴えるために力強くスピーチをしました。「私たちにとっての武器は本とペンです。」と話しました。マララさんの声はどんどん賛同を得て、大きくなっています。マララさんは貧困や児童労働から子どもを解放するための解決策は、教育だと語ります。彼女が声をあげることを快く思わないイスラム過激派のグループは未だにいて、また襲われる可能性もありますが、彼女は声をあげることをやめない、全ての子どもたちが教育を受けられる世界になるまで、と決意を新たに活動を続けています。
2014年の春に、マララさんはフリー・ザ・チルドレンの支援地域であるケニアを訪問し数日間滞在し、ケニアの女の子に教育への情熱と力について話しました。また、中等学校建設のためにシャベルを手にクレイグと一緒にボランティアワークにも励みました。
また、設立したマララ基金を通じてケニアに新しい女子のための学校建設資金提供をしたいと考えるようになりました。そうすれば、教育を受けた女児が知識と力を得て、貧困から抜け出すことができるからです。
また、フリー・ザ・チルドレンのイギリスでのWe Dayというイベントにも参加して、12000人もの参加した若者に向ってスピーチをして一緒に世界を変えましょう、と呼び掛けました。
児童労働から子どもを解放する活動を続けているカイラシュさんと、女児の教育のために活動するマララさんとの絆を通じて、私たちフリー・ザ・チルドレンは、情熱を持っている問題に対して声をあげることの重要性を更に感じています。
改めて、お二人がノーベル平和賞を受賞されたことを心より祝福します!子どもとおとながともに手を取りより良い世界のために歩んでいくことに喜びを感じています。