児童労働禁止法修正案を可決したインド議会:「家事労働の児童労働合法化」に広がる批判の声

今回の「世界の子どもニュース」は、インドの児童労働に関するニュースを

お伝えします。

 

http://www.aljazeera.com/news/2016/07/indian-parliament-passes-contentious-child-labour-bill-160727073739213.html

 

インド議会は、7月26日、児童労働禁止法の改正法案を可決しま

した。この改正法は、14歳未満の労働をすべての職種で禁止し、

違反した雇用主の罰則もこれまでより強化されています。しかし、

休日や放課後の家業での児童労働が合法化され、教育に影響しなけ

れば娯楽産業やスポーツ界で児童が働くことも認めています。また、

危険の職種でなければ、15歳から18歳の未成年者の労働も認められて

います。
政府は、こうした例外は教育とインド経済の現実を両立させるため

に設けられたものだとしています。また、インドでは親が貧困と戦

うため、あるいは職人技を引き継ぐために、農業や家業で子どもを

必要としているという現実もあります。
しかし、国連児童基金(UNICEF)や子どもの人権擁護団体など

は、この改正法が児童の家業の手伝いを合法化し、未成年の就労

禁止職種を減らすものだとして懸念を表明しました。そして、ユ

ニセフはインド政府に対し、法案から家業を除外し、危険職種を

「完全に網羅するリスト」を法案に含めるよう要請しました。
また、ユニセフ・インディアは7月24日に、「“児童が家業を手伝

う”という文言を削除するよう強く勧告する。これは、子どもたち

を搾取や人身売買から守るため、そして、長時間労働で学校に通

えなくなるのを防ぐためである。」との声明を発表しました。
2015年の国際労働機関(ILO)の報告によると、5歳から17歳の

児童労働の数は世界に1億6800万人で、うちインドは570万人と

いうことです。しかし、ユニセフはインドの児童労働者数が280

0万人に上るとしています。

 

(要約:翻訳チーム 中丸玲子 )

ユニセフや人権団体からの批判にインド政府はどのように応えるのでしょうか?:画像はインド議会、出典はインド政府公式サイトよりhttps://india.gov.in/my-government/whos-who/members-parliament