変化する戦場で、一筋縄ではいかない子ども兵士の救出と支援

カナダのクレイグとマークのコラムの紹介です。

http://www.huffingtonpost.ca/craig-and-marc-kielburger/help-child-soldiers_b_7520662.html?utm_hp_ref=free-the-children

先日、国連は銃や戦車や戦闘機を使うことなく、戦場ですばらしい勝利を収めました。

何カ月にも渡る粘り強い交渉を通じて、国連児童基金(ユニセフ)は中央アフリカ共和国の紛争に関わっている10の武装勢力の軍事部隊に、子どもに対する軍への勧誘や採用の中止と、部隊に従事している子ども兵士(ユニセフは6000人から一万人の子ども兵士がいると見積もっています)の解放を求めました。そして武装勢力側もその要求に応じたのです。

5月14日、軍の部隊からはまず357人の若い戦士(中には12歳以下の従事者もいます)が武器を持つ生活から解放されました。子どもたちは医者や看護師が行う健康診断等を済ませた後、ソーシャルワーカーに引き渡されます。ソーシャルワーカーのここでの仕事は、「子ども兵士が子どもに戻れるようになるための手助け」をすることです。しかるべき時期に、子どもたちは家族の下に戻ることになります。それが難しい子どもたちの場合は、親戚などが見つかるまで、彼らを里子として預かる家庭で暮らすことになります。(親戚が無事に見つかると良いのですが)

私たちは、若者たちが地域や社会を変えていく姿をいつも目の当たりにしています。子どもたちが、学校で使う本では無く武器を待たされて、その可能性を奪われてしまっているということほど、悲惨で残酷なことはありません。

ユニセフは、30万人程の18歳以下の男子と女子が、世界中での30にも渡る紛争の現場において、重要な担い手として活動していると見積もっています。中には調理や弾薬を運搬する仕事など、部隊を間接的に支える仕事に就いている子どもたちもいますが、大多数の子どもたちは、武器を持って戦闘の現場に駆り出されています。それでも、性奴隷をさせられている少女たちに比べれば、兵士として仕事をしている彼らはまだ恵まれている状況にあるといえるのです。

昨年、国連は”Children, Not Soldiers” (兵士じゃなくて、子どもだ)という新しいキャンペーンを始めました。このキャンペーンは、子ども兵士の問題を抱えている国八カ国を対象としており、各国の政府の指揮下にある国軍に対し、子どもに対する軍への勧誘や採用をやめるよう呼びかけています。この勧告を受けた国の大半(アフガニスタン、南スーダン、ソマリア、イエメン等)は、子どもたちを軍に入隊させないようにするための取り組みを始めています。チャドは既に、国連の「子ども兵士が存在する国」のリストのからは除外されました。

しかし、各国の政府が子どもに対する勧誘や採用をやめても、イラクやシリアで活動しているIS(いわゆる『イスラム国』と言われているテロ集団))や、ナイジェリアで活動しているボコ・ハラム等の過激派組織が、何千人もの子どもたちを洗脳し、これまでには考えられなかった恐ろしい方法で子どもたちを兵士として使うようになってきています。

ユニセフカナダのディレクターのメグ・フレンチによると、過激派組織ISの場合は、子どもたちの紐ベルトに爆弾を巻きつけて、その子どもたちをテロの実行犯として犯行現場へと送り出します。この子どもたちの中には、自分が何を身につけているのか、何をしているのかを全く理解できてない子もいます。彼らは不本意ながらも人の集まる場へと向かいます。そんな時にタイミングを見計らないがら、安全な場所から子どもたちの体に巻きつけられた爆弾を遠隔操作で爆破させるという行為を、ひきょうな大人たちがやっているのです。

しかし、最も大きく変わってきているのは、子どもたちが子ども兵士として軍や武装組織に入ってくるまでのプロセスかもしれません。「かつては子どもを無理やり誘拐して子ども兵士にするパターンが一般的でしたが、今は子ども自らが志願して入ってくることが多くなってきています」と、フレンチは言います。

信じ難い話かもしれませんが、政府の指揮下にあるはずの各国の軍隊が、ボコ・ハラム(反西洋主義を掲げる過激派組織。昨年、登校していた200人以上の女子生徒を誘拐した)のような組織に対し適切に対処できずにいるため、子どもたちが自分たちの住む地域を守るために、地元の武装組織に志願して入隊しているのです。ボコ・ハラム打倒を掲げて、ナイジェリア北部で結成された武装組織「民間人混成任務部隊」は、総勢一万人の隊員の内の四分の一がまだ子どもであるという事実を認めています。

貧困に苦しむ家庭の中には、家族に明日食べさせるための食糧を少しでも早く確保することができるように、必死の思いで子どもを軍隊に入隊させる家庭もあります。彼らにとっては、「子ども兵士という児童労働」は強く惹かれるモノであるということも、また事実なのです。

「この新たな局面を打開する唯一の方法は、各地域の人々に、子ども兵士が子どもたち自身を傷つけるだけでなく、子どもたちが住む地域そのもの傷つけるということを、しっかりと伝えていくということしかないと思います」(ユニセフカナダのディレクターのメグ・フレンチ)

カナダをはじめ多くの国が、この問題を前進させるために国連や国際機関で今動いています。子どもが兵士になる道を断ち切ることこそ、私たちが勝ち得なければならない重要な軍事的勝利といえるのではないでしょうか?

参考リンク

中央アフリカ共和国での子ども兵士の解放に関する記事

http://www.excite.co.jp/News/world_clm/20150516/Dmm_967593.html

ユニセフの子ども兵士に関するレポート(英語)

http://www.unicef.org/emerg/files/childsoldiers.pdf

Children, Not Soldiersの公式サイト (英語)

https://childrenandarmedconflict.un.org/children-not-soldiers/

国連が報告したISによる子どもへの人権侵害に関する記事

http://www.cnn.co.jp/world/35060128.html

子ども兵士がいるナイジェリア北部の武装組織に関する記事 (英語)

http://www.thedailybeast.com/articles/2015/03/07/the-child-soldiers-fighting-boko-haram.html

(翻訳:翻訳チーム 清田健介)