私が、若者がいまの世界のリーダーであると信じる理由
今回の「世界のWEニュース」では、アメリカのシカゴで活動
していたWE(フリー・ザ・チルドレン)のOG、デスティニー・ワ
トソンさんの寄稿文をご紹介します。(清田)
https://www.we.org/stories/believe-youth-leaders-today/
これまでの私の人生を振り返って忘れられない時と言えば、
学用品のことが心に浮かびます。
シカゴのあるコミュニティのイベントを想像してみてください。
家族や子供たちがあちこちで、列をなしている―みんな何か
を待っているのです。そこには学生が運営するボランティアク
ラブがあり、学用品が無償で配られています。私は高校時代
の友達とその場にいて…このイベントを主催しています。ちょ
っと想像してみてください。小さな男の子が母親のところに走
って行って大声を上げています『ママ見てよ!ハサミ貰っちゃった!』
この小さな男の子がハサミを受け取ろうとした時に見せた
大喜びの姿を目にした時の、あの込み上げてきた感情は
口では言い表せません。このコミュニティのイベントがなか
ったならば、この子の家族―そしてそこに集まったすべての
家族―が必要な学用品の支払いに四苦八苦していただろう
と思います。まさにその瞬間でした-私は正しいことをやって
いると知ったのは。
私と同じ年代のみんなにこのような思い出を持ってほしい
と思います。あの日の私のように、自分にも何か影響を与
える能力があると、みんなに感じてもらえたらと思います。
若者は、熱中するものがあれば何でもできるという気にならなくては
世界を変えられるくらいの気にならなくてはなりません。でも、それと
は真逆の考えをする方が気楽だと思う時もあります;私たちが自分た
ちを過小評価することは簡単かもしれません。より若い世代には消極
志向が多すぎます。時には、それに巻き込まれないようにするのが難
しい。
私自身、高校で自分の役割を見つけるのに悪戦苦闘して
いました。
社会は、私たち10代の若者のあるべき姿を、私たちに押し
付けている面があります。社会は、いくつかの期待を設定
して、私たちが、その期待に沿った行動をすることを求める
ことがあります。周りの同級生の様子を気にして、劣等感に
さいなまれて、本当の自分を偽りながら振舞ってしまうことも
あるでしょう。
もし私がチアリーディングを止めずに、私が本当に自分の
やりたいことをするために、新しいクラブを立ち上げていな
かったら、私も自分を偽りながら高校生活を送ったかもしれ
ません。私自身で、自分の居場所を見出すことが必要でし
た。その居場所を見つけるために、自分自身でクラブを立
ち上げるという、面倒な決断をしてまでも、居場所を見出す
ことが必要でした。
高校でWEに打ち込むようになった後、チェンジメーカーにな
る方法についてより真剣に考え始めました。私自身を含め
多くの人が、この世界のどこが間違っているのかを話し合
える場を作りたいと思ったんです。物事を良くするために、
どんなアクションを起こせるか語り合える場を。
問題は、学校には生徒のこのような活動を支援してくれる
クラブが存在しないということでした。Homewood Flossmoo
r High Schoolには、生徒が集まって来て、ここシカゴや、も
っと遠くの場所を良くしていくために、何ができるのかにつ
いて話し合える場が必要でした。
このようにして、私の放課後のクラブ、You Matter 2がスタ
ートしたのです。
私は、熱意のある10代の若者が私に賛同してボランティア
活動に取り組んでくれることを願って、WE Schools部を立ち
上げました。私の高校の学生がこの活動に熱中して欲しい
と思いました。頭で何かしたいと考えていても、それを行動
に移さなければ、何の意味も無いからです。
クラブとしての第一の目標は、色々な問題にもっと気づくよ
うになるということでした。でなければ知りもせず、また議論
もしないような問題についてです。大切なのは、これらの問
題に対してアクションを起こせば、若者だからこそ与えるこ
とのできる影響があるということを、クラブのメンバーに知っ
てもらうことでした。このことを知るだけでも、メンバーの世界
観は大きく変わるでしょう。これこそまさに私がYou Matter 2
で実現したかったことなのです。
私見では、若者自身がアクションを起こす方が、私たちの
世代により大きな影響を与えることができるのではないか
と思っています。おとなが主導するアクションでは、若者は
傍観者なりがちですが、若者自身がアクションを起こせば、
他の若者たちに、自分たちも同じことができるということを示
すかことができるからです。このような理由から、You Matter
2は 若者だけで運営されている団体となっています。
私は1年前に卒業して、現在デイトンの大学の1年生になっ
ていますが、このクラブはまだ、Homewood Flossmoor High
Schoolで活動しています。私も、いまは大学生の立場で運営
に関わっています。
少なくとも月に1度は出身地(イリノイ州)に戻り、グループ
と私は、2015年以来クラブが行っている、ドナルド・マクドナ
ルド・ハウスにボランティアに行きます。私たちは通常3時間
ほど滞在して、ハウスを訪れる家族に食事を用意しています。
(※訳注:ドナルド・マクドナルド・ハウス:マクドナルド社管
轄の財団が、世界各地で運営する、病気を抱える子どもと
、その家族のための宿泊施設)
私がYou Matter 2を通して母校に大きな影響
を残すことができたとは、感慨無量です。私と
同年代の人にインパクトを与えることができた
と思えば、胸が躍ります。クラブでの活動につ
いて大学で小論文を書いた人もいます。私は
遺産(レガシー)を残したような気がしています、
生涯の大仕事を成し遂げたような。ただ、まだ
それはスタートを切ったばかりなのです。
私の将来においても、WEから、そしてWE クラブのYou
Matter 2での経験から学んだことは、必ず私キャリアの
選択に強い影響を与えてくれると信じています。他の人
たちと協力して何かをやり遂げることがいまの私のライ
フスタイルなのです。リーダーシップやボランティア活動
においても、この考え、ライフスタイルは、私の道しるべ
です。他の道を選ぶなど、想像もつきません!
このライフスタイルがいつか、私がイリノイ州の上院議員に
なるためのレールを敷いてくれることを願っています。上院
議員として、私が育ったこの州を変える機会を私に与えてく
れることを望んでいます。
※デスティニーは2016年にWE Schoolsのパートナー校、
Homewood Floss High Schoolを卒業しました。在学中、デ
スティニーはWE Day シカゴ で心躍るような体験をして、そ
の後You Matter 2と名付けたWE Schools部を開設しました。
デスティニーは、 デミ・ロヴァートのコンサートでWEを知りまし
た。このコンサートは、いかにWEが若者を元気づけているか
についてWEのスピーカーであるスペンサー・ ウェストとのゲ
ストディスカッションを大々的に取り上げました。デスティニー
は現在、デイトン大学の1年生です。今から5年かけて、彼女
は人権学で学士号、「クリエイティビティー論」で準学士号、
「NPOとコミュニティーリーダーシップ論」の準学士号を取得
して卒業し、さらに、大学院で行政学の修士号の取得を目
指しています。
(翻訳:翻訳チーム 松田富久子 文責:清田健介)