アニー・バーレットを偲んで

先月、社会活動家のアニー・バーレットが息を引き取りまし

た。固定観念に囚われずに誰もが自分らしく生きられる社

会の実現をWE Dayで訴えたアニーとの思い出を、クレイグ

とマークが綴ります。(清田)

 

https://www.we.org/stories/remembering-annie-bartlett/

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、アニー・バーレットについて書きたいと思っています。

彼女は私たちの友人で、自分らしく生きることを楽しんでいた

人でした。ビジュアルアーティスト、フォークダンサー、柔道家、

フェミニストなど、多彩な肩書きを持っている人でした。

 

また、社会にある固定観念を撲滅させることに執念を燃や

していた社会活動家でもありました。

 

「私たちは、ジェンダーや肌の色、階層やセクシュアリティー、

年齢だけで括れるような存在ではありません。アニーはいつ

もこう訴えていました。「私たちは無限の可能性を持っている

存在なのです。一個のラベルだけできれいに括られる訳があ

りません。」

 

アニーが胞性線維症(CF症)を抱えた生涯を送ったことは、

彼女の活動を語るうえであえて特記するべきようなことでは

ありませんが、そのことが、彼女が多くの人に自身の経験を

語るきっかけになったということも事実です。

 

アニーはメイク・ア・ウィッシュ財団にどんなことでも頼むこと

ができました。ハワイでバカンスしたいとか、有名人と過ごし

たいとか、十代の子がいかにもやりたいだろうなあと思うこと

を。しかし、アニーにとっては、WE Dayの舞台でスピーチをす

ることが、悲願だったのです。そのことを聞いたクレイグが、病

室のアニーをサプライズ訪問して、スピーカーとして登壇しても

らうことが決まったということを知らせました。他には、自身が抱

える遺伝性疾患についての啓発の重要性、重症疾患を抱えて

いる人たちに押し付けられがちな、「かわいそう」というレッテル

を剥がしたいということなどを話していました。

 

 

 

 

 

 

 

「せっかく素晴らしい贈り物を与えられているのに、それを人

助けのために使わない人がいるなんて不思議でしょうがない

です。」アニーはよくこう言っていました。

 

アニーは、豊かな表現力という自分の贈り物を、他の人を

助けたいという熱意を実現するために使っていました。ファ

ンドレイジングに協力し、薬を服用し、肺理学療法などの治

療も行いながら、講演活動を続けていました。「こういう活動

をしていると、私を19年間苦しめてきた病気も打ち負かして

しまうぐらいの力を得られているような気がします。」アニー

はそう言います。「かわいそうな病気の子」は、物事をそうい

う固定観念よりも、もっと幅広い視野で見てと訴えていました。

 

アニーの両親は、他者を助けることで、アニーも助けられて

いたと語ります。私たちは、困難に直前している若者(に限ら

ないかもしれません)を見ると、反射的に、「助けてあげなきゃ」

と思ってしまいがちです。でも、時には彼らだって助ける側にな

りたいのです。生きる目的を見つけるために。そして、自分の道

を切り開いていると実感するために。利他主義的な行為が、困

難な状況に対する希望や対応力を見いだすための助けになる

ということは、科学的にも証明されています。

 

「CF症について良いことは、正直何も言えません。」アニー

はこう言っていました。「でも、どんなに悲惨な状況でも、そ

の中で良いことを創り出すことができるということは知って

います。」

 

カナダのジャスティン・トルドー首相は、2016年にオタワで開

催されたWE Dayに登壇した際、アニーと面会しました。この

コラムのために、トルドーが若き活動家についてのコメントを

寄せてくれました。

 

「強く情熱的な若きリーダーとして、アニーは多くのカナダ国

民を助け、奮いたたせるために、声を挙げてきました。」トル

ドーはこう称えます。「アニーは、病気を抱えていきている人

たちは、診断書だけでは推し測ることのできない、素晴らし

い人生を力強く歩んでいるのだと教えてくれました。アニー

の功績は、前向きで希望にあふれた彼女のメッセージの中

で、これからも生き続けていくでしょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

アニー・バーレットは、8月8日に、20歳で亡くなりました。

友人と家族は、アニーの人生を祝したパーティーを開催

しました。その数カ月前、愛する人と結婚したばかりでした。

 

「こうやって笑っていられることが、物凄い奇跡なんです。」

アニーは今年の春、こう言っていました。「私の人生、恵ま

れているなと思います。」

 

アニーの願い、それは自分の人生から得たモノを多くの人

と共有することでした。その願いは、世界をより輝かしく、優

しい場所にしたのです。

 

CF症について
https://jcfn.jimdo.com/嚢胞性線維症-cf-とは/

メイク・ア・ウィッシュ財団について

http://www.mawj.org/about/make-a-wish-story.html