【報告】WE TALK “SOCIAL” 大学生企画 Vol.14 「あの子と私は何が違うの?~子どもの貧困を考えよう~」を開催しました
11月28日に、WE TALK “SOCIAL”大学生企画 VOL.14「あの子と私は何が違うの?~子どもの貧困を考えよう~」を開催し、11歳から17歳の9名の方にご参加いただきました。
今回のテーマは「日本の子どもの貧困」。
前半は、貧困の種類と国内で起こっている子どもの貧困についてレクチャーを行いました。
今日本では7人に1人の方が「相対的貧困※」状況に陥っていること、大人の貧困は子どもに連鎖すること、
また、貧困に陥ってしまうのは自己責任だという考え方が国内に浸透していたり、地域によって貧困の状況が違うなどの理由から子どもの貧困は認識されにくかったりすることなどを説明しました。
そして、この認識不足が、互いの生活環境や困難を理解し合えない社会の分断を生んでいることをお話ししました。
※相対的貧困:ある地域内の水準で比較した時、大多数よりも貧しい状態にあること。
ディスカッションでは、長崎県で生まれた鈴さんという方が、社会の分断を感じながら成長した幼少期から高校生までの実体験を通して自分の「ふつう」について綴った以下のブログを紹介しました。
鈴「この割れ切った世界の片隅で」
このブログの内容をもとに、社会の分断や人それぞれの「ふつう」について話し合いました。
後半は具体的なデータを例に出しながら、日本ではどのような格差が発生しているのかについて見ていきました。
もちろんデータはあくまで一つの傾向であり、格差につながる要因は一つとは限りませんが、
住んでいる地域や家庭の経済状況が子どもの学力差や「経験格差※」に影響を与えている傾向があることをお話ししました。
※経験格差:将来に対する新たな意欲や選択肢を増やすための様々な経験や機会の数に格差があること
最後に、イベントの感想を参加者同士で共有し、さらに互いのふつうを認めあうことに対して自分たちができることについて話し合いました。
参加者の皆さんの積極的な参加により、たくさんの意見交換することができました。
今回のイベントを通して、日本の子どもの貧困や格差についてより深く考えるきっかけになっていただけたら嬉しいです。
ご参加いただいたみなさんありがとうございました!
ディスカッションのまとめ
「ブログを読んで意見を共有しよう」
<参加者の意見>
・“ふつう”や“常識”が一番わかりづらいのにわからなければいけない、とみんなに思われている。だからこそお互いのことについてしっかりと理解しなきゃいけないと感じた。
・自分の周りにある普通を当たり前だと思ってしまいがちだけど、世界では自分の周りにある普通だけではないと思った。
・英語が好きで高校に入ったが、入学後、自分よりさらに堪能な人がいることに気づいた。学校で自分を周りとの差に気づいた。
「今日学んだことを振り返ろう」
<参加者の意見>
・貧困について隠したり恥ずかしいと思っている子がいることに驚いた。(自分と、自分と違う環境下にある人との)相互理解ができていたらそう思う子も少なくなるのではないかと思った。
・話を聞いてくれる・自分のことを考えてくれる人がいると自分だったら嬉しい。だからそういう人になりたい。
・地域差が生まれないように図書館をもっと充実させたり、どんな人でも利用できる電子書籍の読み上げ機能があるものを貸し出したりするとよいと思った。
・自分の意見を言うのと同時に相手の意見をちゃんと聞くという当たり前のことをすることでお互いの理解が増えると気づいた。
参加者アンケート
<印象に残ったこと・感想>
・1人1人の小さな力でも、集まれば大きな力に変えていけるということ、相互理解を深めることが大事だということが分かりました。
・貧困問題は決して自分に関係のないことではないので、自分事として考えていくことが大切だと思いました。
・今回のイベントでは、“知る”という言葉がキーワードになり、自分が一番できることは、様々な人の講演を聞くことや、周りの人の意見を聞くことだと改めて気づきました。