国連創立75周年キャンペーン、「UN75」にクレイグが期待していること
クレイグのコラムの紹介です。
https://www.we.org/en-CA/we-stories/opinion/the-un-marks-75-years-with-kids-campaign
国連が1月に創立75周年キャンペーンをローンチした頃、世界の景色はいまとはだいぶ違っていました。
新型コロナウイルス(COVID-19)は中国以外で確認されていませんでしたし、観光客を乗せた満席の飛行機が世界中に散らばっていました。
UN75は、国連史上最大級のクラウドソーシングを活用した取り組みです。
若者たちに、世界の問題について議論し、国際的な連帯を育む解決策の提案を促しています。
もはや説明するまでもなく、いまは世界の協力の重要性について考える絶好の機会です。
世界はいま、共通の危機に直面しており、分岐点に立っています。
この分岐点に用意されている選択肢のひとつは、各国が後退し、内向き志向になることです。
内向き志向を持つという点に於いてのみ世界が連帯すれば、世界の人々が、後退した経済とナショナリストによる政策の被害を被ることになります。
もう一方の選択肢は、各国が国際社会の一員としての自覚を持ち、問題解決に当たることです。
これこそが私たちが歩むべき道です。新型コロナウイルスは、各国の国境を尊重するようなことはしません。
未来に直面するであろう様々な問題についても、これと全く同じことがいえます。
一方で、いまは多くの子どもたちが不安を抱えた状態で自宅に籠っています。日常生活が失われ、ニュースで日々耳にすることについて心配しています。
UN75では、暗いニュースや、このパンデミック(大流行)を利用してナショナリズムを煽ろうとしている為政者たちの言動に惑わされないようにするために、自宅で世界の様々な問題について語り合うことを推奨しています。
こういうことについて学ぶのには、いまは良い時期です。
子どもたちは気を紛らわす時間が持てますし、善き地球市民になるためのきっかけを持つことができます。
小さなことに見えるかもしれませんが、若い時期に世界の問題について学ぶことは、将来の世界に貢献する人材を育成することにもつながります。
「新型コロナウイルスは、気候変動がもたらす大参事への予行演習だ」という、大変説得力のある議論を展開している人たちもいます。
ある意味では、現状は気候変動がもたらす保健危機や経済危機、人命を守るためにどのような犠牲を強いられるのかなどを先行体験している状態ともいえるのです。
気候変動は、世界全体の共通課題であり、多国間協力無しに解決することはできません。
パンデミックに対応することも、世界全体の共通課題です。
だからこそ、多くの国が世界保健機関と連帯しながらワクチン開発などに取り組んでいる訳です。国境を実質的に封鎖しているのと同時に、各国が共に知恵を出し合っているのです。
新型コロナウイルスが、世界が連帯する新たな時代の幕開けきっかけになる可能性もあります。
仮にそうなった場合は、アフターコロナの時代も国際強調の姿勢を失わずに、世界が共に諸問題に対応していくことがとても大事になっていくでしょう。
UN75は、未来のリーダーたちが国際協調の精神を育む良い機会です。
最も、彼らはそれを既に身につけているとも言えますが。
研究によると、私たちは思いやりや協調姿勢を、本能的に身につけているそうです。
逆に言えば、孤立主義的な振る舞いは、後天的に身につけたものであるということになりますね。
もしも若者たちをいましっかり教育することができれば、国際協調の姿勢を未来の社会の規範とすることができます。UN75のようなとりくみはとても重要です。
世界が分岐点の最中にあるなか、国連自体も創立から75年を経てターニングポイントを迎えています。得体の知れない恐怖と、未来がどうなるか分からない状況にあるいま、衰退と内向き志向への道を歩む方が楽なようにも感じられるでしょう。
しかし、だからといってその道を歩んではいけません。
解決策を見いだすために、私たちは世界の人々と共にひとつになるべきです。
そのために、どのような世界をつくりあげていきたいかについて対話し合うことから始める必要があります。
その対話には若者たちの参加も不可欠ですが、対話への参加を促すためには、私たちおとなが彼らの味方となり、しっかりと後押しすることも大事なのではないでしょうか?
UN75公式サイト
https://www.unic.or.jp/activities/international_observances/un75/join-conversation/