子どもの権利

人権という言葉があります。だれでも、その人がその人らしくしあわせに生きる権利のことです。子どもも、人権をもっています。子どもの権利条約は、特に守られるべき存在として、基本的人権が子どもに保障されるよう国際的に定めた約束ごとです。こども基本法の柱にもなっていて、日本の子どもにとっても、大切な条約です。子どもの権利は、すべての子どもが生まれたときから持っていて、子どもである限り、何度でも使うことができる「チケット」のようなもの。もし、奪われたり守られたりしなかったら、「権利を奪われて、困ってます!」と、声をあげて助けを求めることができ、その権利はすぐに取り戻されるべきものです。子どもの権利が守られた社会にするために、まずは子どもの権利のことを詳しく学んでいきましょう。

子どもの権利条約とは?

こどもの権利条約は、基本的人権がこどもに保障されるよう国際的に定めた約束ごとです。 世界中のこどもが、健康的に安心して自分らしく豊かなこども時代を送れるように世界の国々がともにつくりました。 18歳未満のこどもを権利の主体と位置づけて、 おとなと同じように、一人の人間としての人権を認めるとともに、 成長の過程で特別な保護や配慮が必要なこどもならではの権利も定めています。
1989年11月20日の国連総会で制定され、2023年11月時点で196の国と地域がこの条約を守ると約束しています。日本の政府も1994年にこの条約を批准(※)しています。

※批准とは、条約などルールを国が守ると約束すること。

ロングバージョン(6分3秒)

ショートバージョン(2分16秒)

ロングバージョンは子どもの権利条約に書かれている子どもの権利が持つ内容や、子どもの権利の理念が後押しになって活動を始めたFree The Childrenを12歳で設立したカナダのクレイグくんの歩みなどが分かりやすく紹介されています。

例えばこんな権利が。
クイズに挑戦してみよう!

子どもの権利が守られているかな?
○か✕で答えてね

友だちとやっている交換日記を親が勝手に読んでいた

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答え

正解

4条 国が子どもの権利を守る責任
28条 教育を受ける権利
30条 色々な文化や言語
支援してくれる制度があるよ!日本語のサポートをする人が学校に来て、わかる言葉で話してくれたり、先生が、わかりやすい日本語で話してくれる。

外国から日本に来たばかりで、日本語がわからず授業についていけない

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不正解

4条 国が子どもの権利を守る責任
28条 教育を受ける権利
30条 色々な文化や言語
支援してくれる制度があるよ!日本語のサポートをする人が学校に来て、わかる言葉で話してくれたり、先生が、わかりやすい日本語で話してくれる。

自分が好きな色の服を着ていたら「男or女の子らしい色にしなさい」と言われた

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答え

不正解

2条 差別の禁止
13条 考えや思いを表現する
みんな一人ひとりちがって当たり前。自分の好きなものを表現する自由があるよ!

「子どもの権利条約」一般原則と54の条文

子どもの権利条約には、すべての子どもが、子ども時代を自分らしく健康的に安心してゆたかにすごせるよう54の条文が書かれています。条約の中でも特に重要な各条文にまたがるいわゆる4つの一般原則があります。これらの原則を元に、日本の子どもに関する法律、こども基本法もつくられました。

1.差別の禁止(第2条)

子どもの権利条約第2条1項では、「締約国(ていやくこく:条約を守ると約束した国)は、その管轄内にある子ども一人ひとりに対して、子ども又は親もしくは法的保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的・民族的もしくは社会的出身、財産、障害、出生またはその他の地位にかかわらず、いかなる種類の差別もなしに、この条約に掲げる権利を尊重しかつ確保する。」と定めています。

2.子どもの最善の利益の保障(第3条)

子どもの権利条約第3条1項では、「子どもに関わるすべての活動において、その活動が公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関、または立法機関によってなされたかどうかにかかわらず、子どもの最善の利益が第一次的に考慮される。」と定めています。

3.生命・生存・発達の権利の保障(第4-10、14、18、20、22-32、42条)

子どもの権利条約第6条1項、2項では、「1.締約国は、すべての子どもが声明への固有の権利を有することを認める。2.締約国は、子どもの生存および発達を可能な限り最大限に確保する。」と定めています。

4.子どもの意見の尊重(第4、12-17条)

子どもの権利条約第12条1項では、「締約国は、自己の見解をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表現する権利を保障する。その際、子どもの見解が、その年齢および成熟に従い、正当に重視される。」と定めています。

子どもの権利条約一般原則と54の条文ダウンロード

こちらの資料は「大東建託グループみらい基金」のご支援によって作成されました。

子どもの権利条約カード・解説付ハンドブック

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、子どもの権利を広め、子どもの権利が大切にされる社会の実現を目指すキャンペーン
「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」に実行委員として参加しています。