アプリで共生社会を創ろう!
アメリカに、障害のある人や地域の人をつなぐアプリを運営している若者がいます。
彼を突き動かしたのは、お兄さんの力になりたいという想いでした。(清田)
https://www.we.org/stories/teen-inventor-creates-app-for-brother-with-special-needs-and-shares-with-audience-at-we-day-california/
チョカ家は3年前、ニュージャージー州からフロリダ州にあるボニータスプリグスに引っ越しました。
その際、一家は馴染みのあるかつての暮らしから引き離されてしまいました。
どこの親もそうですが、チョカ家の父ジョン、母マリアは息子たち2人が新しい学校生活に慣れるかどうか心配でした。
長男であるクリスチャンにはダウン症があります。
彼はニュージャージー州にあるボーヒーズから引っ越したことで、これまで過ごしてきた地域社会とのつながりや、頼りにしてきた地域の支援を断ち切られ、社会から置き去りになってしまいました。
ボニータスプリングスに移り住んだ3カ月後、クリスチャンの弟であるジョニーはあることに気付きました。(親友でもある)兄が、移住先では自分のような仲の良い友だちを作れず、新しい地域でつながりを持てない苦しみを抱えていたのです。ジョニーは兄のクリスチャンを助けたいと思いました。
兄弟は共にクリエイティブなことをしながら成長しました。レゴやケネックスを組み立てて遊んでいた幼少時代。
それに代わって今はプログラミングのコードを書き、携帯電話のアプリを作っています。
19歳の兄を持つジョニーはこう言います。「兄が近所の人や、ニュージャージー時代の友だちと再びつながりを持てるように、障がいがある人々のためのSNSを作ろうと思いました。」
夜遅くのこと、ジョニーはパソコン上で、障がいがある人や彼らの大切な人々専用のアプリ、youBelongの基礎を作りました。兄のクリスチャンや他のSNSのサイトから学びえたヒントを活かし、youBelongのアプリは動画や写真の共有、近況報告を更新、友だち検索や、チャットもすることができます。
これら全ての機能は、他の人々とつながることが難しい人々が安心してのコミュニティー作りをできるようにするためのものです。
このアプリは、クリスチャンが昔の友だちと近況報告をし合えるツールとなり、新しい地域で新たなつながりを築くためのツールとなりました。
クリスチャンがアプリで行う大好きなことは自撮り。10代の若者ならではの使い方です。「ここの飛行機の中で写真を撮ったんです!」と携帯を手に持ち、youBelongのサイト一覧をスクロールしながら、クリスチャンはWE Dayカリフォルニアの舞台裏で興奮気味に語ってくれました。
「どこに行っても僕は自撮りをしたり、友だちにメッセージを送ったり、動画を投稿したりするんです」
youBelongはいまだ進化を続けているジョニーの壮大なプロジェクトです。オンラインで授業を受け、教科書を手に独学でyouBelongを作り始めたのは2012年のことでした。彼の夢は、スペースXか自身が起ち上げたテック系のスタートアップでロケットを創ることです。その他にも、地味でありながらも昔懐かしいゲームセンターのゲーム機を元に、自分でコンピューターのスタートアップの会社を立ち上げたいと思っています。
ジョニーがコンピューター言語を習得するにつれ、彼の夢は大きくなり、彼のポートフォリオには35を越えるアプリが入っています。
彼らが自分たちがたどってきた歩みを発信するためにWE Dayに来ることができたのは、全てのアプリの中の一つであるyouBelongのおかげです。
WE Dayの聴衆がyouBelongについて知ることで、もっと多くの人々の人生にインパクトを残せる可能性があると、ジョニーとクリスチャンはワクワクしています。
もしかしたら、youBelongから刺激を受けて、若いクリエーターが彼らのコミュニティー作りのためにテクノロジーを使おうとしているかもしれません。
youBelongはジョニーの信念や、何万行ものコードから成るアプリです。
このテクノロジーはコミュニティーを築き、世界を変えられます。
2017年以降、会員数は確実に増え続け、今では何千もの会員数となりました。アメリカ出身、カナダ出身、遠方では南アフリカ出身の会員もいます。
新しい会員が加わるたび、彼らの略歴や今夢中になっていることを入力します。そしてたいていの人は新しい友だちを探していて、クリスチャンやアプリの中にいる他の人々に、人との繋がるためのきっかけを生んでくれます。
テクノロジーが共生社会のための力強い武器になってくれるのです。
WE DayがしっかりとyouBelongの活動にスポットライトを当てることで、アプリはさらに数百万人以上の人々の目に留まるようになるでしょう。
彼らが経験してきたすべてのことはジョニーの成長する糧となっています。「次は何を成し遂げることができるでしょう?」とジョニーは力強く訴えます。「私たちは何でもできます。いまこうしてWE Dayに集い、こんなにも多くの人が、想いや志を共にしているのですから」!
(原文記事執筆: ジェシー・ミンツ 翻訳:翻訳チーム 高橋まり 文責:清田健介)