中高生から国会議員に伝えるということ
こんにちは、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン事務局インターンの古谷です。
本日は、2019年5月15日に行われた、国会議員のための「世界一大きな授業」2019で活躍した、当日「先生」役を担った中高生世代チームメンバーにインタビューを行いましたので、ご紹介いたします。
4月にチームを立ち上げ、ひと月半という短い準備期間の中で、どのようにして成果を発揮できたのでしょうか?
4月14日(日)の実践者向け講座の際に、初めて、中高生メンバーは顔合わせを行いました。
「世界一大きな授業」の実行委員会メンバーであるNGO職員からこれまでの「世界一大きな授業」や世界における教育の実状、日本の教育支援に関しての説明を受け、また、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの職員からはワークショップの基本構成、授業実施の際の<気づき>の促し方などのトレーニングを受けました。
<4月14日の写真>
4月と5月にそれぞれ数回集まり、授業で最も伝えたいことは何か、また、過去何回も参加していただいている国会議員の方もいるため、新たな<気づき>の要素はどういったものがあるかなどを中高生メンバーを中心に話し合いました。
また、適宜、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの職員から、「システム思考」など国内外で行われているワークショップの事例紹介も行われ、その中で、国会議員の方向けの授業の中で組み込めそうな要素について話し合いを行いました。
そして、5月15日の本番を迎えました。
昨年に比べて、準備期間が1か月ほど短くなり、中高生世代チームメンバーも緊張をしているように見受けられました。
NPO職員との最終打ち合わせにて激励を受け、笑顔がこぼれます。
本番は、国会審議の影響もあり、開始時間が若干遅れて開始するということもありましたが、中高生メンバーの臨機応変な対応もあり、参加された国会議員からも「毎年レベルアップしている」という反応もありました。
さて、今回の中高生チームメンバーには、秋田県、埼玉県、東京都、山梨県から8名の中高生が参加いただきました。
参加した中高生メンバーにそれぞれ感想を伺いましたので、紹介いたします。
まずは、1限目。発展途上国の教育の現状をスタディーツアーに参加した経験をもとに話します。
自分で撮影してきた動画を編集し、この日のために映像も用意しました。
発展途上国の中にも、裕福な家庭と貧困家庭があること、世界には学校に通えない子どもがたくさんいることを自身の経験から伝えました。
続いて、2時間目の授業に移ります。
2時間目はアクティビティです。
今回のアクティビティは、すごろくです。
生徒は、A~D国という4チームに分かれ、すごろくを振り、駒としてゴールを目指します。
1マス目小学校入学
2マス目小学校卒業
3マス目中学校入学
4マス目中学校卒業
5マス目高校入学
の計5マスでさいころの出る目によって進めるマス数が決まります。
中高生世代チームメンバーの合図で、生徒の皆さんは一斉にサイコロを振ります。
国によって進む速度が全く違う様子に各チームから困惑の声が聞こえます。
アクティビティが終了したところで、
進度の差の謎が解き明かされます。
一見、「自分の国で」できるだけ多くの卒業生を出すというチーム対抗戦のように思われたアクティビティですが、実はそのような意図はありませんでした。
さいころが各チームに複数個ずつ用意されていたことや、守るルールは三つだけという仕掛けの裏には、
「さいころの目の数が国によって違っても、大きな数の目が出やすいさいころを持っている国が早く進むことができない国にさいころを貸し、互いに協力し合うことでゴールを目指してほしい。」
という思いが込められていたのです。
3限目は国会議員の方に向けた政策提言です。
「教育は一部の人の特権ではなく、すべての人の権利である。教育という権利を守るための支援を。」
力強い言葉で、授業内容をまとめてくれました。
授業はこれで終了です。
授業へのフィードバックとして、生徒の国会議員の方からは、「アクティビティを通じて協力する大切さを再認識した。」、「政策提言内容を実現できるように国会で発言していく。」など、温かいお言葉をいただきました。
無事本番を成功させた中高生世代チームメンバー。
みんなの表情から達成感が伝わってきます。
本当にお疲れさまでした。
そして、
参加してくださった議員の皆様、
各地で発信活動に協力してくださった発信メンバー、
会場まで足を運んでくださったオブザーバー、
当日の配信を見て下さった皆様、
本当にありがとうございました。