アーカイブ動画&質問への回答を公開|「ミシェルから学ぶ、コンゴ民主共和国の紛争と今」
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アーカイブ動画&質問への回答を公開|「ミシェルから学ぶ、コンゴ民主共和国の紛争と今」

2026.09.24

前回の記事では、2026年8月28日に開催したフリー・ザ・チルドレン・ジャパンの活動報告会2026夏「ミシェルから学ぶ、コンゴ民主共和国の紛争と今」の様子をご紹介しました。

当日の対話では、時間の都合ですべてのご質問にお答えすることができませんでしたが、参加者の皆さまからたくさんのご質問やメッセージが寄せられました。

そこで今回の記事では、当日のアーカイブ動画とともに、時間内にお答えしきれなかったご質問へのミシェル氏からの回答をご紹介します。

当日は参加できなかったという方にも、ぜひご覧いただければと思います。

 

活動報告会のアーカイブ動画を公開

 

当日の活動報告会では、まずFTCJの海外支援事業についてご報告した後、代表中島がミシェル氏を迎えてコンゴ民主共和国の現在についてお話を伺いました。

紛争がなぜ長く続いているのか。

なぜ豊かな鉱物資源を持つコンゴで、貧困や紛争が続いているのか。

そして、コンゴで採掘される鉱物と、私たちが日常的に使っているスマートフォンやパソコン、電気自動車などは、どのようにつながっているのか。

対話の中では、こうした問題について、ミシェル氏自身の経験や現地での活動を通して語っていただきました。

また、現在、南キブ州を含むコンゴ東部で人々が直面している緊急の状況についても触れ、今必要とされている支援についてお話を伺いました。

▼活動報告会2026夏 アーカイブ動画

 

ミシェルへの質問の回答

 

当日、参加された皆さまからたくさんのご質問をお寄せいただきました。
時間の都合でイベント内で全てにお答えすることができなかったため、後日ミシェル氏と、現地で活動するメンバーに質問を送り、回答してもらいました。

ここでは回答の要約をご紹介します。

Q1. 紛争によって学校教育そのものへのアクセスが大きく制限されている地域もあると思いますが、コンゴ民主共和国東部では現在、子どもたちが美術・音楽・演劇・スポーツなどに触れる「情操教育」の機会はどの程度確保されているのでしょうか?

A1. 政治的・治安上の困難が続く中でも、学校教育そのものは続いており、地域では美術、音楽、演劇、スポーツなどの活動も行われています。これらは単なる娯楽ではなく、子どもたちの心の回復、社会的なつながり、紛争を暴力に頼らず解決する力、そして希望を育むための重要な手段になっています。
しかし、こうした活動は深刻な資金不足に陥っており、紛争そのものによって、活動の機会も大きく制限されています。

 

Q2.緊急支援は“命を救う”という意味で不可欠な一方で、紛争が長期化する中で、“紛争が続くことを前提とした支援”になってしまう危険性はないでしょうか?

A2. 支援そのものが依存を生むのではなく、どのように地域と関わるかが重要です。
もともと農家は自分たちの畑で働き、自立して生活していました。しかし紛争によって畑に行くことさえできなくなっています。だからこそ、今必要な緊急支援と、紛争の根本的な原因に目を向けることは、どちらか一方ではなく両方が必要です。

 

Q3. コンゴ民主共和国では、貧困によって医療が受けられない人が多いと思いますが、医療費以外に、医療を受けることを妨げている要因にはどのようなものがありますか?

A3. 医療費だけでなく、医療施設までの距離、道路状況、治安、医薬品や医療従事者の不足などが大きな障壁となっています。さらに、医療施設への攻撃や略奪によって医薬品や物資が失われることもあります。
特に農村部での医療施設の建設・整備と、看護師などの医療従事者への安定した物資や適切な報酬、安全な環境の提供が必要です。

 

Q4. 現地パートナーを通じた支援について、パートナー自身が現地の権力者や武装勢力から圧力を受けたり、支援物資・資金が武装勢力の利益につながったりするリスクを、どのように把握・管理していますか?

A4. 現地チームは、活動開始前から地域のコミュニティのリーダーと関係を築き、外部の仲介者などを入れず、既存の信頼できる地域組織を通して活動することを重視しています。また、政治的中立を保ち、活動を必要以上に目立たせないことも、安全を守り、支援が武装勢力に流れるリスクを減らすために重要です。

 

Q5. 子ども兵士になってしまう子どもたちに「自己肯定感の低下」「自己認知能力の低さ」というアイデンティティの共通点はありませんか?

A5. 子ども兵士になることが必ずしも子どもの脆弱性を新たに作っているのではなく、武装勢力はすでに子どもが抱えている脆弱性を利用しています。家族との離別、貧困、避難、暴力、未来への希望の喪失などによって「自分は何者なのか」という感覚を失った子どもに対して、武装勢力が「居場所」や「役割」を与えることで、そこに引き込まれてしまうことがあります。
そのため、元子ども兵士への支援では、食料や学校だけでなく、家族・地域との関係を取り戻し、長期的に寄り添い、自分の価値や可能性を再び感じられる機会をつくることが重要です。

 

Q6. 支援する側が「必要だ」と考えている支援と、現地の人々が「本当に必要だ」と考えている支援が食い違った場合、どう対応するのですか?

A6. 支援する側が最初から答えを決めて現地に行くのではなく、まず地域の人々に何が必要なのかを聞いています。現在、支援地域で挙げられているニーズは、食料や生活用品、心理社会的支援、農業研修、子どもたちへの教育、略奪された学校や教会の再建などです。一人ひとりの状況を現地で確認し、限られた資源を「最も効果が生まれるところ」に届けることも重視しています。

 

Q7. 「石切り場」などで働く子どもたちは、何歳ぐらいの子が多いのでしょうか?また、女の子たちはどのような仕事に従事しているのでしょうか?

A7. 現地で確認された子どもたちは8~17歳ですが、7歳ほどの子どもが働いている石切り場もあるとのことです。女の子も、石を集めたり砕いたり、荷物を運んだり、働く人たちに食べ物を売ったりしています。また、女の子は非常に若い年齢で結婚したり、農作業で重い荷物を運んだりする状況もあります。

 

Q8.長期化する紛争の中で、「宗教」は人々の心の支えやコミュニティの結束を守る力になる一方、対立や分断を強めてしまう側面もあるのではないでしょうか?

A8.現地では、教会が人々の心の支えや助け合いの場となる一方、宗教が分断につながる場合もあります。誤った情報の拡散、限られた資源をめぐる競争、宗派間の教義の違いなどが、その要因となることがあります。
キリスト教は、子どもたちに「自分は一人ではない」「今の苦しみが人生のすべてではない」と感じさせる支えとなります。一方、信仰だけでは十分ではありません。家族、教育、心理社会的支援、医療、安全な環境などが必要です。

 

Q9. 現地の子どもたちは今、何をして遊んでいるのでしょうか?そして、その「遊び」は本当に戦争から一時的に離れるためのものなのでしょうか?

A9. ボール遊び、かけっこ、歌、ダンス、ごっこ遊び、伝統的な遊び、絵、スポーツなど、子どもたちは身近にあるものを使って工夫して遊んでいますが、現在のカバレ(支援コミュニティ)には子どもたちが安心してのびのびと遊べる場所はありません。
遊びは、子どもが日常を取り戻し、言葉にできない気持ちを表現するための大切な方法です。現地チームは、安全に遊べる場所をつくることを、子どもたちの回復に不可欠な取り組みの一つと考えています。

 

「知る」だけで終わらせないために

 

今回の活動報告会を通して、改めて感じたのは、コンゴ民主共和国で起きていることを「遠い国の出来事」で終わらせないことの大切さです。

ミシェル氏は、私たちにできることとして、現地で起きていることを知り、伝え、声を上げ、支援することを挙げました。

今、コンゴ東部では、紛争によって暮らしが大きく揺らぎ、食料などの緊急支援を必要としている人々がいます。

まずは「今を生きる」ための支援を。
そしてその先には、人々が農業などを通じて、自ら生活を立て直していける未来を。

私たちは、「今を支える支援」と「これからをつくる支援」の両方を届けていきたいと考えています。

 

10月、クラウドファンディングを開始

現地からの声を受け、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、2026年10月、コンゴ東部への緊急支援のためのクラウドファンディングを実施します。

まずは、今回の記事や活動報告会のアーカイブを通して、コンゴ民主共和国で今何が起きているのかを知ってください。

知ること。誰かに伝えること。
関心を持ち続けること。
そして、必要な支援に参加すること。

できることは、一人ひとり違います。

ぜひ、あなたにできる一歩から、一緒に始めていただけたら嬉しいです。

クラウドファンディングの詳細は、次回のメールマガジンとホームページでお知らせします!

 

 

▼クラウドファンディング開始前のご支援は、以下から受け付けています。

コンゴ事業へのご支援

コンゴ民主共和国東部のコミュニティへの緊急支援や農業支援への支援活動を行なっています。指定寄付ページより、「コンゴ民主共和国」をお選びください。