コンゴ民主共和国 南キブ・コミュニティ開発プロジェクト(SKCDP):未来への決断
2025年の年明けから続く紛争が、いまだ収束の兆しを見せないコンゴ民主共和国。フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、この紛争の影響が最も深刻な東部地域で支援活動を続けています。ここ数か月だけでも7,000人以上の尊い命が奪われたと伝えられる中、私たちは現地パートナーと力を合わせ、厳しい状況に置かれた人々のもとに確かな希望の芽を育み続けられるよう取り組んでいます。
7月、私たちは現地で協働する団体 PRWOP(Park Rangers Widows and Orphans Project:ゴリラの保護区である国立公園で活動をしていた夫を、密猟者による攻撃や事故等により亡くした女性たちで結成された団体)に所属する20名の女性たちに、農業技術研修を実施しました。
数か月後、彼女たちは、初めての収穫を迎えた喜びと達成感、そして未来への希望を、満面の笑顔の写真とともに届けてくれました。
皆さまのご支援が、確かに彼女たちの力となり、日々の生活を支える糧となっています。
さらに彼女たちは、持続可能な未来を見据えた大きな決断をしました。日本の皆さまからいただいた支援金を、個々人に分配するのではなく、「コミュニティ全体の未来のために使おう」と話し合い、資金を一つにまとめて、なんと4ヘクタールもの広大な共同農地を購入したのです。この選択には、困難な状況でも前を向き続ける強さと、互いを支え合う深い絆が表れています。

最初に挑戦した作物は、手間はかかるものの栄養価の高いトマト。丁寧に育てた苗は見事に実り、初収穫の日には、畑いっぱいに広がる赤い実を前に、女性たちの笑顔がはじけました。続いて育てたキャベツも立派に育ち、何もなかった土地から命をつなぐ作物が実る喜びを、彼女たちは心からかみしめています。

この一連の取り組みは、紛争という大きな困難の中にあっても、女性たちが「今だけでなく、未来を生き抜く力」を選び取った証です。
そしてその未来への一歩を後押ししているのが、まさに皆さまの温かいご支援です。
治安が改善したとき、彼女たちはすでに強固な基盤と、活動をさらに広げる準備を整えています。
皆さまの想いが、確かな希望となってコンゴの地に根を張り、未来へと伸びていることを、私たちは改めて実感しています。
プロジェクトマネージャー
ミシェル・チクワニネ
ご寄付・ご支援くださった皆さまへ
企業の皆さま、個人で応援してくださった方々、そして学校単位でご支援くださった皆さま、温かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。皆さまの思いが、現地の人々の笑顔と希望につながっています。心より感謝を込めてお礼申し上げます。
このプロジェクトは、農業を通じて地域の人々が自らの力で未来を切り拓くための第一歩です。今後も、私たちフリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、現地の声に耳を傾けながら、持続可能な支援を続けていきます。