ケニアにて、Irkaat村の自立を応援しよう～プログラムが発足したことを、我々のこの喜びとともにご報告致します。

1,797人以上のマサイ族とキプシギス族からなるこのコミュニティは、計り知れない人種の多様性と助け合いの精神を、我々に示してくれました。彼らは、自分たちの社会をより良いものにするための新しい企画を発案し、仕事を得るための企画の取り組みに非常に意欲を示しています。

Irkaatが直面している問題は数多くあります。コミュニティの学校の教室は簡易的な作りのため、木材と粘土で作られています。そのため、雨が降った際には崩れてボロボロになってしまいます。学校はコミュニティがある場所から歩いて５キロほど先にあり、クラス自体も７学年しかありません。

一番近い水場は、更に遠い場所にあります。炎天下の下、汗をかきながら20キロもの道のりを歩いて泥のたまった川へようやくたどり着くのです。Irkaatの母親たちは、日の出前に、その長い距離を水を汲みに出かけます。彼女らの家族が生活するためには、100リットルの水を要します。生きていくためには、20キロの道のりを何度も往復して水を運ぶか、娘たちを学校へ行かせずに220ポンド、つまり約100キロの重さの水を共に運ぶか、そのどちらかの選択をしなければならないのです。

彼女らが運ぶ水には、大抵、健康を害する汚染菌が数多く含まれています。80％の家庭には、家に下水処理の設備が無いため、下痢を日常的に起こしているのです。彼女らやその家族が体調を崩した時は、コミュニティのメンバーが町から10キロ離れた診療所へ連れて行くか、その地域に住むただ一人のヘルスケアワーカーを見つけるか、この２つの手段しかありません。

この辺りの子どもたちは、タンパク質不足や、呼吸器感染症の症状を何かしら抱えておりますが、それらが治療されることは滅多にありません。一方、大人たちは腸チフスやマラリア、骨関節炎、皮膚疾患、ブルセラ症などの病気の危険に常に晒されている状態なのです。

子どもたちが水汲みに行かない場合、または病気で学校に行けない場合以外には、親の畑を手伝っているか、親が家で行っている仕事を手伝っている場合があります。Irkaatの殆どの両親は、自給自足の農家で、とうもろこしや豆などを急勾配で風が強い条件の悪い土地で育てながら、その日暮しのぎりぎりの生活を送っているのですが、強風、森林破壊、干ばつ、菌などによる病気で、年々作物は不作になっています。

他のコミュミティのメンバーは、石屋や仕立て屋、かご編みなどをしてなんとか生計をたてていますが、作物が不作だったときは、買いたくても食べ物すら売っていないため、村全体が飢餓に喘ぐことになるのです。

これらの問題にもめげずにIrkaatの家族たちは、フリー・ザ・チルドレンとの協力に希望を持っています。彼らは新しい教室の建設や水源確保のプロジェクトのために、自分たちの時間と資金の提供を快く申し出てくれました。子どもたちに頼らずに農業やそれぞれの仕事に従事できるようにするために、条件の悪い土地でも栽培が出来るよう、新しい技術や機械を提供し、農業技術の指導をすることを計画しています。

貯蓄と借り入れのグループは、コミュニティメンバーのために、学校の資金や家畜の購入、大災害の備えのため、そして、間伐や不作の時の場合などの多額な出費が想定される場合を考え、貯蓄の手助けをします。 今、我々は、村の自立を応援しようプログラムの５つの難題をIrkaatとの協力により切り抜け、共に成し遂げられる日が来ることを、とても楽しみにしているのです。

（訳者：翻訳チーム　五十嵐かおり）