ミンダナオ島マラウィ市緊急復興支援報告
2017年5月から10月まで、フィリピン南部ミンダナオ島の西部にある南ラナオ州のマラウィ・イスラム市において、フィリピン軍と過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力「マウテグループ」の戦闘が発生、激化し、47万人以上の市民が国内避難民となりました。
10月にフィリピン政府による、戦闘終結宣言があり、11月から徐々に、マラウィ市に人々は戻ってきましたが、市内で激しい戦闘があったため、住宅や学校、その他一部の施設は破壊され、そこは今でも立ち入り禁止区域となっています。
自宅に戻れない人々は、仮設住宅に住んだり、親せきや知り合いの家に身を寄せたりして、何とか日常を取り戻そうとしていますが、自分の家や地域が破壊されて、そこに戻れない悲しさから、精神的ダメージを受け、立ち直れない子どもやその家族もいます。
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、マラウィ市で起こった戦闘の被害にあった子どもやその家族を応援するため、2018年はチョコレートプロジェクトや募金を呼びかけ、資金調達を行いました。
集まった資金で、飲料食料品(水、米、缶詰類など)や生活用品(タオル、石鹸、歯磨きセット)及び文房具などを国内避難民の方々を中心に、何度か配給支援を行うなどして提供してきましたのでご報告します。
地元のNGOとともに、お米や水、生活用品を避難民キャンプで、配給しました。
中島が現地を訪問し、教育省と学校の先生とともに、文房具パックをつくり、配布活動に参加しました。
新しい文房具を手に、小学生たちは大喜びでした。
また、子ども服の会社のF.O.インターナショナルから、マラウィ市の戦闘が起きたことで被害を受けた子どもたちを応援したいというお申し出を頂き、2019年3月24日に、現地の教育省と自治体などと共催で行った「歯科衛生及び眼底検査の健康チェック」でご寄付いただいた新品の子ども服の配給支援を行いました。
2018年を通じてチョコレートをご購入することでご協力下さったみなさま、2018年、2019年も継続してマラウィ市の紛争被害にあった子どもを応援するためにご寄付くださったみなさま、本当にありがとうございました。
チョコプロチームのみなさんも、チョコレートのデザインからパッキング、販売までたくさんの時間をかけて活動してくださり本当にありがとうございました!!現地の子どもたちは、学校に通えるよう教材を手にすることができ、本当に喜んでいました。マラウィ市の教育関係者の方々からもお礼の言葉を頂いています。
FOインターナショナルのみなさまも、現地までたくさんの支援物資をお送りくださり本当にありがとうございました。
現地を訪問し、「街を再建し、子どもたちが安心して安全に過ごせる街に戻したい。イスラム教の教えは決して人を殺して平和を手に入れろとは言っていない。本当の意味での平和をこの街に戻すためにこれからも歩んでいく必要があるが、そのために、日本から協力してくださって本当に嬉しい、ありがとうございました。」という小学校の校長先生の言葉が印象的でした。
報告:なかじまさなえ