ゴミが宝箱に!
中古のタイヤは、日本のみならず世界中にあふれていますが、ニカラグアには、中古のタイヤを活かした素敵な学校菜園があるんですよ!(清田)
https://www.we.org/stories/trash-into-treasure/
「あそこはタイヤ1本、1ドルなんですよ。。」
ダリオ・ロドリゲスは、中古のタイヤを売って利益を得ている道路沿いの修理店を差して首を横に振ります。ニカラグアの農村部では、こういった光景は珍しくありません。 ここではタイヤをすべて再利用します:タイヤで家具、階段、彫刻その他何でも作ります。
ダリオもタイヤを再利用するのが好きですが、1ドルの値札には感心しません。
私たちは賑やかな大通りからそれ、草木がうっそうとした泥だらけの道をさらに30分ドライブします。ダリオのピックアップ・トラックがゴツンゴツンと揺れながら進むので、道というよりジェットコースターに乗っているような感じです。やっとのことで、エル・トラピチェ村(2012年からWE Villages(フリー・ザ・チルドレン・カナダ)と提携している村)に到着します。ダリオは3年前からWE Villagesのシニアプロジェクトマネジャーを務めていて地元では有名です。そして到着すると村びとたちと挨拶をかわします。
34歳のダリオは顔を輝かせてエル・トラピチェの小学校の校庭に入ります。そこは白と青のニカラグアのナショナルカラーで彩られたトタン屋根の建物が広がっています。そして、校庭の片側にある大きな菜園に向かいます。そこは、ダリオがWEで情熱をかけたプロジェクトの発祥の地です。
「すべて、作物の栽培にタイヤを使用するというアイデアから始まりました。」と、ダリオは説明します。一見ただのプランターですが、よく見るとタイヤはカットされて裏返され、塗装されています。そこに土が入れられ、トマト、ニンジン、スカッシュ、ジャガイモ、キュウリ、タマネギなどが植えられています。
エル・トラピチェの学校の菜園は、2014年のWEでのダリオが初めて取り組んだプロジェクトの1つでした。菜園を始めた場所は侵食されてでこぼこした土地で、理想的ではありませんでした。しかし、ダリオは農業の経験を生かしチャレンジしました。前職のニカラグア政府での仕事で、モノを再利用して実用化する方法を学びました。エル・トラピチェ村では、ダリオはすぐに3つの課題を解決する機会を得ました。 タイヤからプランターを作ることは、廃棄物を減らし、土壌浸食を避け、エル・トラピチェの学校給食プログラムを補うために作物の多様性を広げます。
「政府は米、豆、穀物のような食糧を提供していますが、菜園は子供たちに栄養を与えるための補足です」とダリオは言います。 今日、彼のプロジェクトは、この地域の他の3つのWE VillagesパートナーコミュニティであるSan Diego村、Los Campos村、Aguas Agrias村にも拡大しています。この革新的なプロジェクトは、学校の風景や学校給食プログラムを変え、毎日400人以上のニカラグアの生徒に健康的な食事を提供しています。
しかし、もちろん、これはたやすいことではありませんでした。
ダリオは、菜園を始める前にタイヤを見つける必要がありました。
ダリオは車の修理工場にタイヤを探しに行きました。中古タイヤはたいてい上に積み重ねられていて、中に水が溜まり、そこが蚊の住処になっていました。ダリオは、これらのタイヤはあまり使い物にならないがないと言います。しかし、人々は生活のためにこれら売ろうとします。それでも、彼はタイヤを手に入れるための費用はほとんどかからないと考えました。なぜなら、支払った1ドルはWE Villagesのコミュニティプロジェクトに戻ってくるからです。「私は、初めてタイヤを探しに行ったとき、店のオーナーに「本当に資源が少ない村にタイヤを持っていきます。ここにあるタイヤは汚れた水が入っていますが、これらのタイヤを使って作物を栽培します。」と伝えました。」とダリオは言います。
ダリオの粘り強い説得で店のオーナーは最初のタイヤを譲ってくれました。彼は他の店でも同じことをしました。最近では、オーナーはダリオのトラックがやって来ると、「タイヤはそこだよ。」と声をかけてくれると言います。ダリオは10キロのタイヤ回収ルートを決めました。
彼はまた、村びと民や保護者の中から協力者を募りました。
協力者は、彼に同行し、タイヤがどのように学校や村を変えているのかを感じとりました。
彼らは、菜園の力を知っています:毎日健康な昼食を食べられることは、親が学校に子どもを入学させるようになります。そして、子どもたちは勉強するためのエネルギーを得られます。生徒は菜園を運営するのに大きな役割を果たします。その過程で、彼らはいつか彼らが自分の菜園や農場を管理するのに役立つスキルを身につけます。
エル・トラピチェで村では、菜園以外にも、学校の建物事業、清潔な水を供給するポンプの提供事業、村での保健事業、女性の職人のサークル事業などがあります。
現在、エル・トラピチェ村だけで約1,000本のタイヤがあります。 菜園と並んで、それらのタイヤは水を防ぐための障壁として、そして学校の運動場(ダリオの興奮度合いから判断して、彼の好きなプロジェクトの1つに違いないようです)への階段として役立っています。
「前は、運動場へ行くことが出来ませんでした。」と、ダリオは、学校の裏にある丘を指します。そこにはカラフルに塗られたタイヤで出来た階段がつながっています。「この階段のおかげで子どもたちが安全に遊ぶことができます。」彼はそれを実証するために階段を登ります。私も一緒に登り、学校全体の附属施設を眺めます。
「私にとって、これは村の発展、変革の象徴なのです。」とダリオは言います。 「人々がこれらのタイヤを見るとき、いまはゴミ以上の何かが見えます。」
(原文記事執筆 :メーガン・ハリス 翻訳:翻訳チーム 文
責:清田健介)
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