支援するインドの村を訪問!
こんにちは、FTCJの中島早苗です。
先月(2012年2月11日~18日)、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)が
支援するインドのラジャスタン州のウダイプール周辺のコミュニティの
調査訪問に行ってきました。
FTCは、現在9つのコミュニティ(村)を支援しています。
特にFTCJが支援をしてきたのはUdawadコミュニティですが、
こちらはたくさんのご支援を受けて昨年の2011年4月に学校が完成し、
新しい学校がオープンしましたが、その後は順調に生徒数を増やし、
私が先月訪問した時もたくさんの子どもが楽しそうに勉強していました。
この村は人口およそ1000人弱で、初等教育(小学校)に通うべき
子どもの数は130人ほどいるのですが、FTCが支援する前は小学校が
あったことにはあったのですが、学校の施設が非常に古く、汚く、
暗かったうえに、机などの備品もそろっていませんでした。
なので、20~30人ぐらいのこどもがちょろちょろ学校に来ている感じで、
しっかりとした授業も行われていなかったのです。
でも、FTCがコミュニティと協力して学校建設を行い、トイレや手洗い場の
設置も行い、教材の支援なども行うなどし、今は登録者数が90人前後
になり、実際に70人以上が毎日学校で勉強を学ぶようになりました。
特に、成果としてあげられるのが、女の子の出席率が高い!といことです。
FTCが支援するラジャスタン州は、総じて女性の権利が守られて
いない傾向にあり、女の子は学校に通わなくてよい、と考えらえているのです。
そういったなかで、女子の出席率が男子と比べて同じかそれ以上、
という状態なのは、驚くべき成功事例といえます。
学校にたくさんの子どもの姿がみれて、じんわり感動したのでした。
学校わきにある井戸で嬉しそうに手洗い!
ベルナ村に、新しいメディカルセンターができました!
そういった教育面での改善がみられる一方で、課題があるのも現状です。
FTCではインドのラジャスタン州のウダイプール周辺に位置する9つの
コミュニティ(村)の地域の共通した課題は、なんといっても水不足です。
雨水を利用したり貯水することなく、ひたすら地下水をくみ上げて生活水などに
使い続けているため、徐々に地下水が枯渇し、井戸の水も少なくなってき
てしまっています。特に、夏の3月~5月は日中は45度以上にもなるのに、
雨がほとんど降らないため、水が冷えあがり、埃っぽく砂漠のように
乾燥してきます。私自身も、事実、干からびそうでした・・・。
そうなると、草木も育たず、家畜もやせ衰え、人々も病にかかりやすくなります。
こうして、このUdawad村周辺は乳幼児死亡率が12%と高くなっています。
また、水不足は、衛生的な環境を作ることも難しいため、下痢を引き起こし、
下痢で命を落としてしまう子どももいるので、こうした衛生面に対しても
FTCは支援活動を行っていますが、まだまだ追いついていません。
しかし、3年前から、水源確保と管理事業を行おう!といことで、
新しい事業がスタートしました。この水へのアクセスを助ける事業に、
今後、日本もかかわっていこうと、FTCインドと計画しています。
さて、Udawad以外のコミュニティを訪問したのですが、ほかの地域も
やはり女性の地位が低く、学校に一度も行ったことがない女の子がたくさんいました。
朝から水汲み、まき運びなどの家事をして、その後、
お母さんとともに家計のため市場でマンゴーを売る仕事をしている、と、
14歳のお姉さんのことを話してくれた少女たち。
「学校には、一度も行ったことがない」 とのこと。
私は、インドなど途上国で、学校に行っていないため「自分の名前を書けない」という
子どもたちによく出会いますが、その衝撃が以前に比べてどんどん薄れ、
会うたびに「またここにも」という気持ちになって、その状況に慣れて麻痺している
自分がいます。慣れは怖い。
自分の名前が書けなかったり、文字が読めないってどういう状況だろうか・・・
と思いを巡らしながら、終わりにします。