【報告】インド貧困家庭にヤギを届ける事業を実施しました!
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、インドの貧困の中にいる人々、特に子どもが質の良い教育を受け、自立できるよう国際協力事業を行っています。
支援地域の1つである、インドの西ベンガル州の村で暮らす貧困家庭では、収入が少ないことが原因で子どもが家計を助けるために働かざるをえなかったり、家計を抑えるために学校を中退せざるを得ない子どもたちがいます。
このように、子どもの権利である「教育を受ける権利」が奪われないよう、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、現地パートナーNGOのCCD(Centre for Communication and Development)とともに、貧困家庭に、母親など女性にヤギを無償で提供し、家畜として世話ができるオーナーとなれるよう研修を提供し、ヤギのミルクで家族が栄養をとれたり、ヤギをブリーディング(繁殖されること)して生まれた子ヤギをマーケットで販売して収入を得られるようにするなど収入向上支援を行っています。
2024年6月から、あらたに西ベンガル州の農村貧困地域における収入向上支援事業(生計維持支援)をおこなっており、ヤギの提供を通じた活動についてモニタリングをするため現地を訪問してきましたので、ご報告します。
▼支援地域「西ベンガル州」について
西ベンガル州はインドで4番目に人口の多い州で、9,100万人が暮らしています。2005年以降、同州の貧困削減は進みましたが、州内には依然として高い貧困層(家族の年収が15万ルピー(27万円)以下)が存在しています。貧困が引き起こす様々な課題である低所得、職の不足、暴力、脅迫、そして情報の乏しさ等が相まって、子ども、特に女児は人身取引や性暴力の被害に遭いやすい状況となっているといわれています。
▼支援地域のコミュニティについて
農作物を育てるなど農家として生計を立てている人が多い。その他、池に魚を飼い、養殖をしている人々や、家畜の世話をしている人も多い。農家以外では、リクシャー(三輪の自転車や、オート三輪など)のドライバーとして働いたり、食料品の販売をしている人もいるといわれています。
▼ヤギの無償提供をうけた女性たちの声
女性1(自分の年齢が良くわからないが40~50歳)「ヤギを今回初めて無償で受け取ることができ、とても嬉しい。まだ、ブリーディングができていないので、大きな収入を得てはいないけれど、ヤギのミルクで家族の栄養を補うことができています。」
女性2(58歳)「今まで、自分には収入がなく夫の収入に頼るしかなかった。ヤギの提供を受けたことで、子ヤギが生まれれば、1匹5000ルピーほど(1万円弱)でマーケットで売ることができるので、大きな収入となります。家族のために家計を助けることができる自分がとても誇らしく感じられます。とても自分の尊厳を感じられます。」
女性3(22歳)「今まで、畑仕事をすることで何とか収入を得るしかなかったが、最近の気候変動などで、収穫が安定しないと収入も不安定になり、困っていました。でも、ヤギの無償提供を受け、ヤギが生まれれば収入につながるので、精神的にとても助けられ、これから子どもたちを育てていくこともでき、安心しています。」
「ヤギの無償配給のために寄付をくださった日本のみなさん、本当にありがとうございます。生活しやすくなるとてもありがたい支援です。」
受け取ったヤギと共にインタビューに答えてくださった女性のひとり
ヤギの無償提供が、女性たちの収入だけでなく、尊厳を取り戻し、精神的な支援や、エンパワーメントにもつながっていることが分かりました。インドの子どもが教育を受けられるようご支援くださった皆さま、また、収入向上支援のためにご寄付くださった皆さま、オンラインショップでヤギを送るを通じてご支援くださったみなさま、心より感謝申し上げます。
助成ご支援協力:ウェスレー財団