【開催報告】子どもの権利条約フォーラム2024 in 東京で 子ども参加企画を行いました!

11月9日(土)10日(日)に「子どもの権利条約フォーラム2024 in 東京」が開催されました。
2日間で合計2,129人(大人1413人、子ども716人)、ボランティア・実行委員を含めると、2,316人のみなさまにご参加いただきました!

1日目の全体会では、FTCJの子どもコアメンバーが5か月間にわたって準備を行ってきた、子ども参加企画「とどけ、わたしたちのリアル!ひろがれ、わたしたちのアクション!」が行われ、6人の子どもに登壇いただき、2つのトークセッションを行いました。

【あいさつ・アイスブレイク】
全体会のオープニングが終わった後は、子ども企画のあいさつとアイスブレイク!
全て子どもメンバーが運営していきます。
子どものリアルを知ってほしい、そしてそんな子どもたちがどのようなアクションをしているのか、耳を傾けてみんなで動き始めたいという、企画に込めた願いを話しました。
アイスブレイクではアンケートやクイズを行い、一気に参加者を巻き込み、会場を盛り上げました!

 

【トークセッション①とどけ、わたしたちのリアル!】
4人の子どもに登壇いただき、トークセッションを行いました。
ファシリテーターは、FTCJスタッフの広瀬と子どもメンバーのもえかが務めました。

 

おとなは子どもの声を、社会の一員として聴いていると思うか?という問いから始まりました。
・自分の特性を見て、これはできない、向いてないよと言われることもあれば、特性を理解して深くかかわってくれる人もいた。
・学校の先生でも、子どもを尊重していない態度の人もいるし、教育関係者じゃなくても対等に接してくれていると思う人もいる。
・普段聴いている声の裏側に、どれだけ聴けていない声があるかということに自覚的である必要があると思う。声をあげようと思ってあげられる子だけではなく、声をあげようと思わない、あげたことがない子どもたちがたくさんいる。
などの発言がありました。

 

その他、トークセッションの内容を一部ご紹介します。

 

~今の社会についてどう思っているか?~
・変わっていきていると思うが、大人が失敗しずらい社会になってきているのではないか?
・普通の理想の押し付けで、声をあげづらくなっていると感じる。
・一部だけで自分を判断されて、決めつけられてしまうことが多いのではないか。

 

~大人に伝えたいこと~
・人を見た目だけで判断せず、関わり合うことが大切だと思う!
・自分を表現しずらい人は、困りごとを抱えていると思う。みんなが人に優しくかかわることで、それぞれが個性を発揮して社会を良くしていくと思う。
・高校生、大人、などという括りではなく、一人ひとりに個人として接していきたい。
・大人にも幸せになってほしい!子どもと大人の対話ができるようになっていきたい。
・子どもだけでなく、大人も失敗できる社会。大人の声も聴かれる環境を作っていきたい。
・目の前の声を聴いて満足するのではなく、聴けていない声がある背景・構造に対してアクションできるようにしていきたい。

 

【振り返り①】
トークセッションの後は、会場の参加者のみなさんと一緒に考えます。
近くの3‐4人でグループを組んでもらい、感想や学びについて話し合う時間を持ちました。

 

<会場の参加者からの声>
・学校に上から目線で怖い先生がいる。その先生にもこのフォーラムに来てほしかった。
・大人でも子どもでも、失敗したら次どうしたらいいのかという話し合える環境を作りたい。
・大人に、みんなが知らないような自分のことを教えたいと思った。


【トークセッション②ひろがれ、わたしたちのアクション!】
リアルを知った後は、2名の子どもに登壇していただき、起こしているアクションについて話してもらいました!
大人ファシリテーターは認定NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事の甲斐田万智子さんに務めていただきました。

 

それぞれの自己紹介とこれまで行ってきた活動についてプレゼンが行われました。
ももさんは、子どもが子どもに、子どもの権利を伝えていくリーフカレッジプロジェクトを立ち上げ活動しています。
つかささんは、子どもの権利をもっと広めていきたいという思いから、生徒手帳に子どもの権利を掲載する活動を行い、子どもの権利が社会でどのように守られているか学ぶためにフィンランドへ留学をしていました。

 

~自分の活動の中で、知ってほしいこと~
・フィンランドの学校では生徒と先生が対等。したいことを子どもに聴いて授業を行うなど、子どもの意見を取り入れた授業づくりをしていた。家庭内でも、子どもに意見を聴き、話し合って家庭内ルールを作っていた。
・学校ではまず否定されてしまうことが、こども会議では「まずいいね!」と肯定の言葉から入る。安心できる場。
・大人が子どもの権利を知る機会はあるが、子どもが子どもの権利を知る機会は少なく学校での授業は1、2時間だけ。リーフカレッジプロジェクトは、子ども自身が、自分が持っている権利と実感し伝えるようにするために、活動している。

 

~社会に伝えたいこと~
・上から指示する前に、子どもが何を考えているのか、どうしたいのか聞いた上で一緒に作っていってほしい。
・フィンランドでは、子どもの権利は学んでい知るというより、当たり前に身についてるものだと感じた。日本でもそうなっていけたらいいと感じている。
・虐待など、権利が守られていない悲しいニュースを見る。未来を担うリーダーの子どもたちが、日本にいてよかったと思えるように、子どもの権利がより身の回りにあるものになるように、立ち上がっていきたい。

【振り返り②】

<会場の参加者からの声>
・当たり前に子どもの権利があるためには、小さいころから尊重されていると感じる嬉しい経験をしていく必要がある思った。子どもを一人の人として見て、子どもの声を聴き、そして自分もできることとしてポスターで発信していきたい!

 

【おわりの言葉】
最後に、このフォーラムで知ったことや学んだことを、アクションに繋げてほしいという想いが話されました。

 

登壇者紹介はこちら

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ファシリテーター(トークセッション①)
広瀬太智(NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン)
大学卒業後、青年海外協力隊(グアテマラ・小学校教育)、小学校教員を経て、2020年に「子どもにも世界を変えられる、そう信じられる社会」を目指す認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンに入職。出前授業でのファシリテーター、子どもの提言活動サポート、ファシリテーター養成講座作成などを担当し、年間3000人以上の子ども若者と関わる。

 

ファシリテーター(トークセッション②)
甲斐田万智子さん(認定NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事)
広げよう!子どもの権利条約キャンペーン共同代表。子どもの権利条約総合研究所運営委員。文京学院大学・立教大学講師。インドやカンボジアで権利の主体として活動する子どもたちに出会う。日本に帰国後、子どもの権利について各地で講演・研修。監修『きみがきみらしく生きるための子どもの権利』(KADOKAWA)、編著『世界中の子どもの権利をまもる30の方法』(合同出版)、共著『こども基本法 こどもガイドブック』(子どもの未来社)、監修『世界の子ども権利かるた』(合同出版)

 

平井登威さん(大学生)
精神疾患の親をもつ25歳以下の支援を行うNPO法人CoCoTELI代表。幼稚園年長時に父親がうつ病になり、虐待や情緒的ケアを経験。精神疾患の親をもつ子ども・若者支援の土壌をつくるために日々奮闘中。ForbesJAPAN 30 UNDER 30 2024「世界を変える30歳未満」30人

 

きよくん(15歳)
ぼくは、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンで中学1年生から子どもアンバサダーをしていて、社会問題に対するアクションをたくさん行ってきました。例えば、地域のゴミ拾いやイベントでの登壇、フェアトレードチョコの販売、寄付活動などなどです。これからもたくさんアクションを起こしていきたいし、子どもの権利条約がたくさんの人に知り渡り、子どもたちみんなが幸せになれるように、子どもの権利条約のことや子どもたちの今の状況などを広めることもたくさんやります!

 

あめりさん(15歳)
小学4年から川崎市子ども会議の委員として活動を行っている。主な活動内容として、活動を通して改善したい部分や、川崎をより良くしたいと言う思いを市長へ提言したり、U18という子どもの目線でたくさんの人と話し合い、多くの人と関わる活動を行っている。会議でも子どもの人権にふれ、考える機会があるが、「人権」というものが、場所によって尊重されている場面もあれば、無視されている、あまり考えられていないなと感じる場面もあることに疑問を感じている。これまでの活動をもとに、日常的に感じるモヤモヤ、悩みなどが、全ての人が我慢せずにいえるような社会になって欲しいと考え、目指している。

 

花帆さん(16歳)
小学校2から4年生までアメリカに在住。中高一貫校のインターナショナルコースに通っている。月2回子ども食堂でのボランティア活動をしている。家族が一番安心する場所で仲が良いという前提で話されていることが多いと感じ、理想と普通の混同、それが「普通」とされていること、それでプレッシャーを感じて家庭に問題を抱えている子どもが発言できない可能性が高まることを問題視している。全ての子どもたちがのびのびと幸せに育っていける世界を目指している。

 

ももさん(13歳)
私は、5年生の時に子どもの権利条約フォーラムin川崎の子ども実行委員を務めました。その後、川崎市子ども会議に入り、定期的に議論してきました。今年には、新しくLeaf college Projectという子どもが子どもに子どもの権利を伝えていく団体を立ち上げ、代表を務めています。この度はよろしくお願い致します。

 

つかささん(17歳)
中学生のころから子どもの権利に関する活動をしています。具体的には、自分の通っていた中学校の生徒手帳に子どもの権利条約を掲載したり、多くの提言活動を行なったりしてきました。また、今年の夏にフィンランドに行き、子どもの権利と教育の関係性について学んできました。今後はこれらの経験を活かし、日本でより子どもの権利が尊重されるよう活動していきます。

 

+ファシリテーター補佐: 運営統括 もえか


助成:日本財団

 
 
約5か月間にわたり、このフォーラムを通して大人や子どもになにを伝えたいか、どんな時間にしたいかを、子ども企画メンバーが考え、準備してきました。
コアメンバーのみなさん、登壇者のみなさん、当日お手伝いいただいたみなさん、そして実行委員やボランティアのみなさん、ありがとうございました!
 


 
【子どもの権利条約フォーラム2024 in東京 アーカイブ配信お申込み】

1日目全体会・2日目活動発表会・クロージングセッションの中継映像のアーカイブ配信を行っています!
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配信動画の視聴期限:12月1日(日)