【6/27再更新】次期教育振興基本計画策定に向けたパブリックコメント募集

(6/27 15:57追記)

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本記事で募集を告知した「次期教育振興基本計画策定に向けたパブリックコメント」を受け、3月8日に文部科学省の中央教育審議会(中教審)から「次(第4)期教育振興基本計画」の答申案(最終案)が公開されました。
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/09/1421377_00044.html

この答申案を受け、日本政府は6月16日に「次(第4)期教育振興基本計画」を閣議決定し、確定版が文部科学省HPで公開されました。
キャンペーンとは無関係ですが、当団体が2022年から地道に準備を進めている新事業「ウェルビーイング」についても多数言及されていますので是非ご覧ください。
https://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/index.htm

(2/8 14:11追記)

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本記事で募集を告知した「次期教育振興基本計画策定に向けたパブリックコメント」の結果(どのような意見が集まったか)が日本政府の「e-GOVパブリック・コメント」というHPで2/7に公示(公開)されました。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCM1040&id=185001282&Mode=1
(リンク先「結果概要」参照)

 

今回集まったパブリックコメントや、1/20・23に行われた関連業界団体からのヒアリング結果も踏まえ、2023年度(今年4月)から運用開始となる次期教育振興基本計画の最終的な検討・確定が間もなく行われます。続報が入り次第、改めてご案内致します。

(公開当時の記事、内容は文部科学省HP「次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告に関する意見募集を実施します」とほぼ同じです。)

 

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、全ての人々の教育の権利の保障とSDG4(持続可能な開発目標4:すべての人に包括的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する)の達成を目指すNGOなどのネットワークである教育協力NGOネットワーク(JNNE)に加盟しています。JNNEでは、持続可能な開発目標(SDGs)の教育目標4の達成を目指す「SDG4教育キャンペーン」を実施しています。

 

昨年の「SDG4教育キャンペーン2022」では、政党アンケート設問の1つ(質問1)として、「非合理・理不尽校則問題を筆頭に、子ども・若者たちの意見表明権や参加する権利などが学校現場で保障されておらず、子どもの権利条約やSDG4などを守れていない実態がある」という問題を扱いました。そこで、昨年の「SDG4教育キャンペーン2022」では、

 

今後5年間の日本の教育方針の基礎となる「第4次(次期)教育振興基本計画」へ、「子ども・若者の声を聴くこと/子ども・若者が自分の意見を表明する権利」をはじめ、「子どもの権利を保障すること」を反映すべきでしょうか?

 

という質問を主要政党8党と文部科学省へ投げかけ、ロビイングメンバーたちとの意見交換も行いました。
※この設問の背景・詳細は非常に長いため、当時の解説記事をご覧ください。
※各政党からの回答はこちら

「SDG4教育キャンペーン2022」質問1バナー (C)JNNE

 

昨年7月14日に文部科学省を訪問した際、文部科学省側から「次期教育振興基本計画は現在議論を進めているところで、パブリックコメントの募集も予定している。」というコメントがありましたが、このパブリックコメント募集が1月13日16:30頃から開始されました。

 

パブリックコメントは、日本政府の「e-GOVパブリック・コメント」というHPから提出できます。(「次期教育振興基本計画の策定に向けたこれまでの審議経過報告に関する意見募集の実施について」というタイトルの案件です)
皆さんの声が政策に反映される絶好のチャンスなので、是非チャレンジしてみてくださいね。

 

 

次期教育振興基本計画の案(e-GOVより)

 

ちなみに、次期教育振興基本計画の案には、昨年の「SDG4教育キャンペーン2022」政党アンケートの質問1(子どもの意見表明権の尊重について)の他、質問2(公立夜間中学校設置について)質問3(教育の無償化について)に関する記述もありました。

 

本件のパブリックコメント提出はこちら(募集終了)

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&bMode=1&bScreen=Pcm1040&id=185001282

 

<パブリックコメント提出の手順>
  1. 上記ページ内の「意見公募要領」「次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告」(A4用紙71ページ)「(概要)次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告」(スライド2枚)というファイルを開き、必ず内容を読む。(いずれもpdf形式)
  2. 上記ページ内の「意見募集要領(提出先を含む)を確認しました。」にチェックを入れて、「意見入力へ」をクリック/タップ。
    ※1で3つのpdfファイルを開かないとチェックボックスが機能しない仕様になっていますので、必ず3つのpdfファイルの内容に目を通しましょう。
  3. 「提出意見」欄に、「次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告」「(概要)次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告」のどこの部分にモヤモヤや不満、懸念/心配を感じたか、それらを解消・改善するためにはこうしたらよいのではないかといった考えや提案・提言を記入する。(以降の氏名などの個人情報の入力は任意)
    ※文字数に下限はありませんが、1000文字以内であることにご注意ください。
    ※また、うっかりF5を押してしまった、ブラウザを閉じてしまった、PCの電源を切ってしまったなど、何かの拍子に入力内容が消えてしまう可能性もありますので、メモ帳やGoogleドキュメント、Word Onlineなどで下書きを作成してから、「提出意見」欄へ貼り付けることを推奨致します。
    ※提出後の修正はできません。

【参考情報】

<「SDG4教育キャンペーン2022」文部科学省訪問(22/7/14)報告記事>

【報告】「SDG4教育キャンペーン2022」子ども・ユースロビイング企画:文部科学省訪問

(記事より抜粋:当時のロビイングメンバーたちによる提言内容(一部))

・周囲に子どもの権利や意見表明権について質問したり、アンケートをとったりしたところ、「自分には無関係だと思っていた」「そもそも知らなかった」といった回答が多く、子どもの権利(条約)の存在・内容や「子ども・若者には社会を変える力がある」という意識の周知・浸透が進んでいないと感じている。また、校則の変更・改善について年1回の生徒総会で毎年議論しているが、「決まっていることだから」など、色々な理由をつけて大人から否定されることが多く、大人が子ども・若者の声を聴く機会や姿勢が足りていないのではないかと感じている。そのため、「子どもの意見表明権」を次期教育振興基本計画に盛り込み、学校教育の場で子どもの意見表明権を伝え・教える機会や、大人が子ども・若者の声を聴く機会をさらに拡充してほしい。

 

・高3になってから急に社会について考える・学ぶようになったように体感している。小中当時は「決められた物事に従わなければならない」と自ずと思い込んでいたが、高校に入ってから「先生や大人に意見を伝えることができる・伝えてよい」ことに気づいた。このように、「社会に参画していく・自分も社会の一員だ」という意識・気持ちの醸成が高校(特に高3)になってから急に行われていて、(自分を含めた)当事者である高校生が少なからず戸惑いを覚えていることからも、こうした意識を小学校・中学校と、より早い段階から醸成していけるような制度・体制があるとよいのではないか。

 

・中学校当時の公民や、新しく始まった公共の授業で、権利や選挙について学習しているが、内容が権利が存在している・保有しているという”事実”や選挙の”仕組み”などの「説明・暗記」に偏重しているように感じる。「権利をどのように行使するのか」「選挙の仕組みなどをどのように活用するのか」など、実生活で役立つような実践的な内容を教える・学ぶような在り方・内容になるとよいのではないか。

 

・公民科の先生と主権者教育について話していると、「限られた時間内で、生徒たちにとっていかに効果的な学び・実践の場を実現していくか」という課題・ジレンマや、「ただ議論を活発にすればアクティブ・ラーニングの実現になるのか?」といった用語の定義や考え方・価値観に悩むことが多いと聞く。先程、「学校は小さな社会である」と仰られていたが、現状では、中学生になっていきなり「どの政党がよいか」考えたり、選んだりするのは難しいと思う。そのため、自分の意見をどのように社会へ反映させていくかという点を考えるうえでは、やはり「子ども・若者の意見表明権」を明文化して定めることが必要である。

 

次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告(次期教育振興基本計画の案)で「SDG4教育キャンペーン2022」政党アンケートが関係している箇所(抜粋)>

・質問1(子どもの意見表明権の尊重について)関連

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P.6
〇 成年年齢や選挙権年齢が18 歳に引き下げられ、若者の自己決定権の尊重や積 極的な社会参画が図られるとともに、こども家庭庁設置法及びこども基本法が成立し、子供の権利利益の擁護及び意見表明などについて規定されたことを踏まえた対応が必である。

P.37
目標2 豊かな心の育成
子供たちの豊かな情操や道徳心を培い、正義感、責任感、自他の生命の尊重、他者への思いやり、自己肯定感、人間関係を築く力、社会性などを育み、子供の最善の利益の実現と主観的ウェルビーイングの向上を図るとともに人格形成の根幹及び民主的な国家・社会の持続的発展の基盤を育む。

【基本施策】
○子供の権利利益の擁護
・児童の権利に関する条約及びこども基本法を踏まえ、子供の権利等の理解促進や人権教育の推進、子供が安心して学べる環境の整備などに取り組むなど、子供の権利利益の擁護を図り、その最善の利益を実現できるよう取り組む。

P.38
・体罰は学校教育法で禁止されており、いかなる場合も許されるものではない。体罰 暴言等の不適切な指導等が児童生徒の不登校や自殺のきっかけとなる場合もあ ることから、これらの根絶に向けて、教育委員会等の研修や相談体制の整備を促進する。
・学校における人権教育の在り方等について、最近の動向等を踏まえた参考資料の作 成・周知や調査研究の実施・成果の普及等により、教育委員会・学校における人権教育の取組の改善・充実を推進する。

P.49
○子供の意見表明
子供たちに関わるルール等の制定や見直しの過程に子供自身が関与することは身近な課題を自分たちで解決する経験となるなど、教育的な意義があることから、学校や教育委員会等の先導的な取組事例について周知するとともに、子供の主体性を育む取組を進める。

○主権者教育の推進
・平和で民主的な国家・社会の形成に主体的に参画する主権者として、社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一員として主体的に担うことができる力を発達の段階等に応じて身に付けさせるため、関係府省が連携し、学校・家庭・地域の連携による取組の充実を促す。
・小・中・高等学校等における学習指導要領に基づく指導内容の充実に向けた取組、 大学等における周知啓発などの取組を推進する。

P.50
【指標候補】
地域や社会をよくするために何かしてみたいと思う児童生徒の割合の増加(再掲)
・学級生活をよりよくするために学級会(学級活動)で話し合い、互いの意見のよさを生かして解決方法を決めていると答える児童生徒の割合の増加

P.71
目標16 各ステークホルダーとの対話を通じた計画策定・フォローアップ

教育振興基本計画の策定・フォローアップにおいて、子供を含む各ステークホルダー からの意見聴取・対話を行い、計画への反映を行うなど、当事者の意見を取り入れた計画の策定・実施を推進する。

【基本施策】
○各ステークホルダー(子供含む)からの意見聴取・対話 ・国や地方公共団体における計画等の策定やフォローアップに際し、教育現場や関係 地方公共団体(首長部局及び教育委員会)、子供・学生・保護者・学習者、大学等の 高等教育機関など、を含むそれぞれの計画が対象とするステークホルダー関係者か らの意見聴取や対話を行い、その後の施策に反映していくことで、実効性のある PDCAサイクルを確立する。このことを通じて、計画策定・実施過程に各関係者の当事者としての参加を促進し、実効性ある計画の実施に向けた機運醸成を図る。

【指標候補】
・国・地方公共団体の教育振興基本計画策定における各ステークホルダー(子供含む)の意見の聴取・反映の状況の改善

・質問2(公立夜間中学校設置について)関連

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P.53
○夜間中学の設置・充実
・学齢経過者であって小・中学校等における就学の機会が提供されなかった者の中に、 就学機会の提供を希望する者が多く存在することを踏まえ、夜間中学の設置を促進するとともに、夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずる。具体的には、 夜間中学は、義務教育未修了者に加え、外国籍の者、入学希望既卒者、不登校とな っている学齢生徒等の多様な生徒を受け入れる重要な役割を担っていることから、 教育機会確保法等に基づき、全ての都道府県・指定都市に少なくとも一つの夜間中 学が設置されるよう促進するとともに、夜間中学の教育活動や広報の充実、受け入れる生徒の拡大を図るなど、教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進する。

P.55
【指標候補】
・夜間中学の設置数の増加(5年後目標値:全都道府県・指定都市への設置)

・質問3(教育の無償化について)関連
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P.28~29
(本計画期間における教育投資の方向性)
①教育費負担軽減の着実な実施及び更なる推進
○ 第3期計画期間までに実施されてきた、幼児教育・保育の無償化、高等学校等 就学支援金による授業料支援、高等教育の修学支援新制度等による教育費負担軽減を引き続き着実に実施する。さらに、高等教育段階においては、令和6年度から、給付型奨学金と授業料減免について、必要性の高い多子世帯や理工農系の学 生等の中間層へ拡大するとともに、卒業後の所得に応じて奨学金を柔軟に納付で きる仕組みを創設することとし、制度設計の検討を踏まえ、必要な制度改正等を行う。

P.66
目標13 経済的状況、地理的条件によらない質の高い学びの確保
家庭の経済状況や地理的条件によらず、希望すれば誰もが質の高い教育を受けられる よう、教育費負担の軽減を図るとともに、へき地や過疎地域等における学びの支援を行う。

【基本施策】
○教育費負担の軽減に向けた経済的支援
・3歳から5歳までの子供についての幼稚園、保育所、認定こども園等の利用料の無償化を引き続き実施する。
・義務教育に係る教育費について、国公立学校の授業料や国公私立学校の教科書が無償とされていることに加え、経済的困難を抱える家庭に対して就学援助を引き続き実施し、適切な教育機会の確保を図る。
・後期中等教育段階に係る教育費について、高等学校等の授業料を高等学校等就学支援金により支援するとともに、低所得世帯の授業料以外の教育費について、高校生等奨学給付金による負担軽減を図る。
給付型奨学金と授業料減免をあわせて行う高等教育の修学支援新制度について対象を多子世帯や理工農系の学生の中間層に拡大するとともに、減額返還制度を見直 すほか、大学院において在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じて納付を可能とする新たな仕組みを創設するなど、高等教育における経済的支援の充実を図る。

 

<文部科学省中央教育審議会教育振興基本計画部会(第11期~)の実施履歴・資料(本件の議論過程)一覧>

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo17/giji_list/index.htm