【報告】ケニアの教育支援レポートが現地から届きました!(3)
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、パートナーNGO「WE Charity Foundation」(略称:WCF、リンク先英語)を通じて、ケニアのナロック群マサイマラ地区に暮らす先住民族の子ども・若者たちが、質の良い教育を受けられるよう、キサルニグループ中等学校(4年制高校)で学ぶための奨学金支援や、学校の運営を支援しているほか(事業詳細はこちら)、WCFが運営している高等教育機関(日本の大学に相当)「WEカレッジ(WE College)」も同様に支援しています。
2022年10月に、奨学金を得て学校に通う生徒たちの様子や、中等学校で学び、大学へ進学した学生の近況などが現地から届きました!
11月11日よりレポートの翻訳を順次投稿してきましたが(第1弾・第2弾)、今回は第3弾(最終回)として、「WEカレッジ」で行われた卒業式の簡易レポートを翻訳して報告します。
<解説:WEカレッジについて>
詳細:WE Charity Foundation公式HP(英語)
10月、WEカレッジの看護学・アントレプレナーシップ/経営・農学・機械工学コースにとっては初の、観光コースでは2度目の卒業式が行われました。
卒業式には、卒業生の保護者や、卒業生の属するコミュニティの首長たちが片道数時間以上をかけて来場したほか、WCF関係者や卒業生の就職先の関係者など、様々なステークホルダーがナイロビや米国ロサンゼルスなどから来賓として招かれました。
こうして、卒業生の保護者も卒業式に参加することは、ケニアの各コミュニティ内で、女子教育に対する考え方がよい方向に変革されてきているともいえるでしょう。
卒業生総代表の「私たちは若い学生としてWEカレッジに入学し、そして本日この学び舎を卒業し、農学者・臨床看護師・観光管理者・自動車エンジニアなどの専門家としてコミュニティへ貢献していきます」という言葉は、集まった全ての人に響きました。
また、卒業生による優美でエレガントな創作ダンスも披露されました。
▼卒業生のエピソード1:エミリー・コネスさん
エミリーの父親は女子教育に反対していました。
彼女は幼い頃、割礼や老人との早婚が決まったことを聞いて、家から教会へ逃げました。
(補足:女子の割礼(FGM)については https://ftcj.org/archives/21923 を、女子教育の必要・重要性については https://ftcj.org/archives/29550#content4-6 などの過去記事をご覧ください。)
教会の牧師は、彼女をより安全に保護すべく、彼女をWCFが運営しているンゴスアニ(WCF公式HP・英語)の学校へ連れていきました。こうして、エミリーは初等教育を受けるようになりました。(リンク先に掲載されている教室や施設の一部は当時まだ建設中でした。)
その後、彼女はキサルニグループ中等学校への奨学金を受給し、「キサルニの理念」によって、自らのリーダーシップ能力を養っていきました。
(補足:「キサルニの理念」の詳細はこちらをご覧ください。)
さらに、彼女はWEのインターンシップに従事し、WEカレッジで観光管理を学ぶための奨学金も受給しました。
彼女は卒業後、観光業界への就職が決まっており、故郷のコミュニティへ恩返しをしたいとのことです。
▼卒業生のエピソード2:ブラニスさん
WEビレッジのパートナーコミュティで出生、初等教育を受けた後、キサルニグループ中等学校を奨学金を受給しつつ卒業しました。
大学卒業後は、バラカ医院のソーシャルワーカーに就職することが決まっています。
ケニアの先住民族の子ども・若者たちが質の良い教育を受けられるように奨学金や学校運営のためにご協力くださった皆さま、改めて心から感謝申し上げます。
フリー・ザ・チルドレンは、今後も引き続きケニアでの支援活動を継続していくとともに、支援のための寄付を引き続き受け付けています。ご協力よろしくお願いいたします。詳細は下記をご覧ください。