こども基本法成立を受け、緊急記者会見を開きました!

2022年6月15日に、「こども基本法」および「こども家庭庁設置法」が国会で成立しました!

この数年間、フリー・ザ・チルドレンでは、子どもメンバーをはじめ、関連団体といっしょに政治や社会に子どもの声を届けようとさまざまな活動を行ってきました。子どもの権利条約の批准から28年、日本が子どもの権利に言及し、子どもの声を聴きながら社会の仕組みづくりをしていくと決めたことをとてもうれしく思います。

 

この成立を歓迎するとともに、子どもの権利を基盤とする施策が進むことを願い、フリー・ザ・チルドレンが実行委員をつとめる「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」では、6月15日午後、緊急記者会見を開きました。

 

緊急記者会見では、私たちが目指す社会の実現に向けた前進と今後の課題や、「こども基本法 」と「こども家庭庁設置法」の成立を受けた声明文の発表を、本キャンペーン共同代表の甲斐田万智子さん(認定NPO法人国際子ども権利センター(シーライツ)代表/文京学院大学教授)と、キャンペーン事務局の岩附由香さん(認定NPO法人ACE代表)からおこないました。

また、子どもとして政策提言活動に参加してきた、FTCJユースアンバサダーの波田野優さん(中学1年生)も記者会見に参加し、発言しました。


共同代表の甲斐田さんは、子どもの権利を包括的に捉え守るための総合的な法律が今までなかった日本で、「こども基本法」が作られたことは大きな一歩であることや、子どもの意見表明権が「こども基本法」に明記されたことの意義と、おとな中心に決められてきたことが、子どもに関することは子どもの意見を聞き、子どもの意見を大切にされながら決められていくこと大変喜ばしいと発言しました。

 

その一方で、条約批准時の1994年に文部事務次官の通知では、「本条約は世界の貧困など困難な状況に置かれた子どもの子どもの人権尊重や保護の促進をうたったものであり、日本の教育関係について特に法令等の改正の必要はない」と書かれたことは問題であり、これに代わる新たな通知が出されることを期待し、今回の新たな法律の中に文科省や法務省の職務が包含されないことが懸念としてあることなども述べました。

ただ、こども家庭庁が設置されることで、子どもの権利を守るために大きな権限をもって、各省庁に対して調整したり、通達したりできることを期待したい。誰一人子どもを取り残さない、子どもに対する暴力はぜったいに許さない、という姿勢で、子どもに対する暴力は撤廃していく日本社会をつくっていかなけばいけない、と述べました。

 

岩附さんは、キャンペーンの声明文を発表するとともに、今回設置には至らずともコミッショナー制度の議論が進み、こども家庭庁とともに、こども基本法が成立したことはとても喜ばしいことであると述べました。子どもの権利の実現のために、仕組みづくりのためには財源と人員の確保が不可欠であり、その体制が国でしっかりと行われることを願うことが発言されました。

当事者の子どもとして声をあげてきた波田野優さんは、
「子どもの権利のことを知っている人はまだ少ないので、子どもの権利をみんなに知らせることが進んでいけばと、期待します。子どもの権利に対して正しい知識や理解があれば、子どもの権利が守られると思うからです。また、今後、子どもの権利が守られるために、コミッショナー(子どもの権利擁護のための独立機関)の設置を期待します。

今まで、子どもは指導の対象であるという考えでしたが、子どもに関する様々な問題は、子どもでも声をあげて関わっていくことができるようになっていくことが大切だと思います。みんなで手を取り合うという思考でなければいけない、子どもとおとなも協力して、自分自身が考えて、解決に向けて一人ひとりがその力を発揮できるような社会になればと、願っています。」
と発言しました。

 

⚫ 資料
声明文はこちらからご覧いただけます。

提言書 「今こそ『子どもに関する基本法』の制定を!~広げよう!子どもの権利条約キャンペーン提言~

( 2021 年 11 月 20 日最終版)」

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2022年6月15日に「こども基本法」と「こども家庭庁設置法」の成立をうけて子どもや若者の皆さんからメッセージを募集中です!!

メッセージは、下記のURLにアクセスしてお寄せください。
https://ws.formzu.net/dist/S81314226/

お寄せいただいたメッセージは後日団体ブログなどでご紹介していきます。お待ちしています!