【今日は何の日?】12月2日: 奴隷制度廃止国際デー/International Day for the Abolition of Slavery
12月2日: 奴隷制度廃止国際デー
International Day for the Abolition of Slavery
1949年12月2日に「人身売買及び他人の売春からの搾取の禁止に関する条約」(人身売買禁止条約)が国連で採択されたことにちなんで制定され、1986年に始まりました。
奴隷と聞くと「社会や世界史の教科書に出てきた、過去のもの」と考えがちになりますが、現代でも強制労働・児童労働・人身売買、性的搾取、児童婚、少年兵などの奴隷制度が未だ残っており[1]、「現代版奴隷:Modern Slavery」と呼ばれています。
2020年の新型コロナウイルス感染拡大による世界的な不況で貧困が深刻化し、家計を支えるために我が子を売ったり、児童労働に出したり、児童婚をさせたりするなど、
「世界の奴隷問題はコロナ禍で悪化する」という懸念や報告も国連[5]などの団体や報道機関などから発信されています。
こうした奴隷制度の原因は、貧困や歴史的な風習・慣例によるものだけではありません。「モノやサービスを安く・たくさん作って売りたい」「なるべく安く買いたい・なるべく多く儲けたい」という、過剰な利益追求の考え方によって、安い賃金(給料)で強制労働や児童労働をさせたり、(無給で(給料を払わずに)働かせているケースもあります)病気になるまで働き詰めにさせてしまったりするなど、先進国・途上国問わず、世界中で奴隷的強制労働が続いてしまっているのです。
(補足・2023年4月19日1:32追記)
こうした過剰な利益追求で、企業などが従業員や取引先・生産工場の人たちなど(サプライチェーン)の人権を侵害することに対し、イギリスで「Modern Slavery Act 2015」[2](英国現代奴隷法)、オーストラリアで「Modern Slavery Act 2018」[3] (オーストラリア版現代奴隷法)という法律が制定されるなど、国際社会でも対策が広がりつつあります。一方、日本にはこうした法律がまだなく、「日本でも「現代奴隷法」を制定しよう」という政策提言などが行われている段階ですが[4]、家族や夢のために来日した若い外国人技能実習生たちを劣悪な労働環境・条件で働かせている、「外国人技能実習制度」の悪用が未だ横行していることが国際社会から長年指摘・問題視されていました。これを受け、日本政府は2023年4月頃からこの制度の本格的な見直しをようやく始めました。
さらに、2020年のコロナ禍で仕事と収入が無くなり、新型コロナウイルス対策による入出国制限措置などで母国に帰ることも叶わず、行き場を失っている外国人技能実習生への支援が遅れている・行き届いていないことが浮き彫りになってきています。[6]
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<参考・引用>
[1]国連 奴隷制度廃止国際デー特設サイト(英語)
[2]イギリス政府ウェブサイト(英語)
[3]オーストラリア政府ウェブサイト(英語)
[4]認定NPO法人ACE ブログ記事(2016年12月21日)
[5]NHKニュース(2020年11月10日)
[6]国連ウェブサイト(英語)