北朝鮮における児童労働の実態
こんばんは、翻訳チームの浅田です。
北朝鮮における児童労働についてヒューマン・ライツ・ウォッチが報告していましたので
紹介しておきます。
http://www.hrw.org/node/108115
以下、児童労働に関する部分を抜粋しました。
*****************
北朝鮮憲法第31条は、労働に従事する子どもの最低年齢を16歳と設定すると共に、児童労働を明確に禁止している。しかし親たちによれば、中学校の生徒は、午前中こそ勉強しているが、午後には通常、学校が細目まで組織した無報酬の労働に送られると話した。
2011年に北朝鮮を脱北した元教師は、ヒューマン・ライツ・ウォッチに、「朝だけ授業をして、午後には・・・外へ仕事をしに11歳や12歳の生徒を連れていく教師を見ました。生徒の仕事の種類は、植林、道路補修、水泳プール建設作業への参加などでした・・・。生徒は午後1時まで授業を受けて、それから[そのような]重労働に耐えるのです」と話していた。
別の元学生はヒューマン・ライツ・ウォッチに、「11歳から15歳の間、僕は殆ど毎日政府の農場で働かなくちゃならなかったんです。授業を午後1時に終えて、昼御飯を食べに家に飛んで帰らなきゃいけなかった。
学校は生徒に食べ物をくれませんでしたからね。学校は、僕たちが農作業用の道具を持って、校庭で再集合するようにアナウンスしていました。学校は小さな子どもすら全員を働かせるんです。朝、先生は、その日の内にやらなきゃいけない仕事とそれに必要な道具について、生徒に指示するんです。
それは僕の家にとっては何の得にもならないし、僕は家族のためにやらなきゃいけないことが沢山あったから、僕は嫌だった。でも政府は家族のために働くことを強制したんだ。僕は子どもの頃、いつも本当に疲れていた。」と話していた。
2009年に「北韓人権市民連合」(Citizen’s Alliance for North Korean Human Rights)が行った調査は、教師と学校責任者たちが、生徒たちに労働を強制している実態を明らかにした。
生徒たちは、山間部からの転売用食材の収集、学校が使う材木の伐採、政府によるキャンペーンの一環だというリサイクル用の貴重な原材料の割当量に基づいた収集と供出、国営農場での農業労働など、様々な状況で労働を強制されている、という。生徒たちは中学生の年齢である11歳になると働き始めるが、北部のより貧しい地方では8歳か9歳ほどでも働きはじめることを求められている。
こうした調査報告は、国連子どもの権利委員会が2009年に公表した、「北朝鮮の子どもが学校教育の一環として、職業教育の目的を遥かに超えた、厳しい肉体労働に携わっているとみられる」という調査結果とも一致する。
「北朝鮮政府は、世界の人びとが注目するような、子どもたちのダンスやマスゲーム行進の壮大なショーを上演する一方、多くの子どもたちは、厳しい強制労働を課された上に、食料不足も重なって、苛酷な現実におかれている」と前出のロバートソンは語る。
(抜粋終わり)