ブルキナファソ(西アフリカ)で児童売買の犠牲者を救出
こんにちは、浅田です。今回はブルキナファソでのお話です。
The original article
(訳者:金田豊正)
ブルキナファソの金鉱や綿花畑で過酷な労働をさせられていた子どもたち(中には6歳くらいの幼い子もいた)を警察が見つけ出しました。子どもたちは労働の賃金も与えられず、また、学校にも通えない状況でした。さらに、一部の子どもたちは性的虐待をも受けていました。
今週の木曜日、インターポール(国際刑事警察機構)は、西アフリカで取り締まり作戦を実施して強制児童労働から約400人の子どもたちを救い出し、児童売買や強制児童労働の容疑者73名を逮捕したと発表しました。
西アフリカは世界の中で最も貧困者率の高い国々を抱えています。このため、これらの地域での強制児童労働に対する今回の成果は極めて珍しいものでした。
この地域の若い男の子達は、多くの場合、他人の畑での人手として働き出たり、地方の田舎に点在するおびただしい数の鉱山で働いたりしています。若い女の子達は都市部の金持ちの住む家で家政婦として働いています。
インターポールのブルキナファソ取り締まり作戦は人身売買業者に売られて強制労働させられた子どもたちの救出を目的に10月29日から30日に実行されました。
インターポールのフランス本部は木曜日に次の公表をしました。「子どもたちの置かれた状況は、狭くて空気の悪い鉱山の穴倉など劣悪な環境で働かされていて、賃金の支払いも通学の機会も無かった」そして、「若い女の子達は、たいていの場合、性的虐待を受けていた。」
387人の子どもたちが救出され、その後、社会福祉団体によって子どもたちの家族の元に戻されました。インターポールの作戦は、ブルキナファソのワガドゥグーやウンデやボボ・ディウラッソで実施されました。
「インターポールは罪の無い犠牲者の悪用を見つけ出すことやそれをストップさせるために、すべての加盟国の機関と緊密な関係をもち活動を続けていきます。そして、子どもとしてふさわしい人生を取り戻すために援助を行います。」とインターポール人身売買取り締まり部門のヘンリ・グイダ・ベルミン氏は語っています。
今回、インターポールの専門家は取り締まり作戦実行の前に現地の担当官を十分に訓練しました。そして、将来、児童売買のネットワーク組織を解体し、児童労働が抑止できるように希望しています。そのために、彼らはアフリカの他の国々でも2009年から同様な活動を行っています。
何千もの子どもたちは、たいていの場合、西アフリカの奥地の茂みに散在する何百もの粗野な金鉱の中で危険な仕事に就いています。子どもたちは、鉱山の中でマンホールのように狭い縦穴に何メートルも滑り落ちたり、鉱脈から金を取り出すために、素手で大量の土を叩いて崩し、水銀を混ぜて、擦ったりしているのです*。これらの強制児童労働で得られた金塊は、行商人に買い取られ、世界の金市場に輸出されていきます。
国連の専門機関である国際労働機関(ILO)は鉱山労働を「最悪の形態の児童労働の一つ」とし、これと闘うために法律と協定を整備しています。2010年のILOの報告では2億人以上の子どもたちが児童労働に就いていると推定しています。
[ *訳者註:一般的に小規模金鉱での採鉱方法は、地表、地下、水中などに60センチ四方の穴を掘り、そこに水をためて、コンプレッサーを使って汚泥を吸い上げます。その後、ロッドミル、ボールミルで鉱石を粉砕し、より細かい粒子にします。これらの粒子を重力濃縮法や樋流し法、あるいは西部劇で出てくるパンニング(鍋)法で金を採取しますが、西アフリカでの方法は、アマルガム法を用いていると思われます。これは、水銀10~25gを使って金1gを産出します。泥や粉砕石の粒子に水銀を混ぜて、金と水銀の合金アガルガムを作り、鍋の中の合金アガルガムを加熱して、水銀を蒸発させて、残った金を取ります。作業者が水銀に直接触れたり、水銀の含まれた蒸気を吸い込むため、水銀中毒に陥る恐れのある非常に危険な方法です。]
参考記事:
インド、メガラヤ州の炭鉱での児童労働
https://ftcj.org/archives/13392