木炭作業所で働く子どもたち「僕って、子どもなんだな」

UNHCRの記事より。

リンク先の動画(記事の最後に要約有)もできればご覧ください。

http://tracks.unhcr.org/2014/06/the-charcoal-boys/

アナスは12歳。世界の別の場所では、アナスのような年齢の子どもが過ごす場所は学校です。しかし、シリア難民であるアナスは、家族6人を支えるため、燃料として売られる木炭の固まりを選別、袋詰めして一日を終えます。それが、異国の地で家族を支えるため、増え続けるこども難民の多くがしている仕事の一つなのです。

もちろん、両親はアナスが学校に行くことを望んでいます。しかし、両親に仕事はなく、ひと月200ドル以上の家賃と、病気の妹を抱え、一日5ドルのアナスの稼ぎが家族の命綱となっています。

何百万人ものシリア難民が内戦から逃れるために国境をわたるにつれ、児童労働が大きな問題になっています。UNHCRやその関連団体はこの問題に取り組むため、保護者や雇用者に対するカウンセリング、貧困家庭への金銭的援助、子どもの空いている時間を利用した学習支援プログラムを開発しています。

子ども達が過剰労働を強要されたり虐待の危険にある場合は、最優先事項として保護にあたってもいます。UNHCRのレバノン児童保護コーディネータであるエルサ・ローリンは、次のように述べています。「児童労働を止めることはできないかもしれないが、それによる影響を小さくすることはできるはず。」

アナスは誇りをもって家族のために働いていますが、他にも選択肢があればと強く願っています。

仕事でついた煤を洗い流しながらアナスは言います。
「学校に行きたいな。友達と遊びたいよ。追っかけっこや鬼ごっこ。空手もしたいな」

アナスは、まだ子どもです。大人になるには早すぎます。それは、他のシリア難民の子ども達も同じです。

(動画要約)
2013年、シリアの内戦が激化し、アナスと家族は命からがら北レバノンに逃れた。
難民キャンプに建てた小屋は雨風に耐えうる物ではなく、食べるものもない。
12歳のアナスは木炭販売所で働くことにした。
木炭を運び、ふるいにかけて選別し、袋詰めをして、購入者のところまで持って行く。
一日が終わる頃には、体中、真っ黒だ。
キャンプの近くに休園中の遊園地があり、仕事が終わったら、友達や兄弟とそこで遊ぶ。
楽しい時間を過ごしていると、ふと、思うことがある。「僕って、子どもなんだな」と。

レバノンの難民キャンプで暮らす子ども達は、50万人を超える。
就学年齢にある子どものうち、70%が学校に行っていない。
多くの子ども達が、アナスのように、家族を支えるために働いている。
UNHCRは、このような子ども達が学校に通えるよう支援を続けている。

(翻訳:翻訳チーム 山田さつき)