クレイグとマークがふりかえる2016年:2017年を、みんなで素晴らしい年にするためにできること
クレイグとマークの、今年最後のコラムの紹介です。
https://www.we.org/we-at-school/we-schools/columns/global-voices/world-can-better-2017/
「2016年君、どうして君はそんな酷いことばかりするんだ
い?」こんなセリフが書かれた画像が、いまFacebookで拡散しています。
年末になり、SNSには、「すくなくとも、2016年が、人類史上
最高の年になることはあり得ない」ということを示唆した投
稿が、面白半分で行われています。ネット上には、「2016年
君」に優しい人は誰もいないようです。シリアでの紛争は相
変わらず続き、イエメンでも、悲惨な紛争が起こっています。
イギリスとアメリカの政治は、新たな分断の時代に突入し、ヘ
イトクライムも頻繁に起こっています。ただでさえ地震からの
復興に頭を抱えているハイチは、今年はハリケーンという新
たな自然災害に見舞われました。また、世界は多くの素晴ら
しい人を今年失いました。レナード・コーエン、デヴィッド・ボウイ、モハメド・アリなど…
数年前になりますが、私たちが、平和運動家デズモンド・ム
ピロ・ツツに相談にのってもらった時、デズモンドから「暗い
メディアの報道に惑わされて、希望を失ってはいけない。嘆
く代わりに、世界を変えるためにやるべきことを考えろ」と言
われたことがあります。デズモンドのアドバイスに従い、201
6年がいかに酷かったのを嘆く代わりに、どのような前向き
な変化があったのかを、今回のコラムではふり返っていき
たいと思います。
シリアでの紛争がきっかけで、難民問題が世界的な危機と
なっていく中で、、カナダは難民を受け入れる決断をしまし
た。現時点で、3万人の難民を受け入れています。難民の
人たちの存在は地域を豊かにし、経済の活性化にもつな
がっています。また、山火事で被災した地域でのボランテ
ィア活動など、支援を必要としている人たちを助ける活動
を、難民の人たちも積極的に行っています。
アメリカ大統領選の結果に、世界は大きな衝撃を受けまし
た(もちろん悪い意味で)。しかし、今回起こった大きな前進
は、あまり注目されませんでした。ヒラリー・クリントンが、主
要政党で初の大統領選の女性候補者になったのに加えて、
同時に行われた議会選挙では、上院選で当選した女性候補
の数が、史上最多となりました。アメリカの議会の議員の男女比率
が著しく偏っていることに変わりはありませんが、それでも、前進が
起こっているというのは、紛れもない事実です。そのような中で、ク
リントンが敗北宣言という、自らは絶対したくなかったはずの演説の
中で、少女や若い女性に対して、エールを送っていたのには、感銘
を受けました。「それから、今この演説を聞いている女の子たちへ。
あなた方には価値があり、強さも備え、この世界であらゆる可能性
を持ち、さまざまな機会に挑むにふさわしいということを、決して疑
わないでください。」というクリントンのエールは、必ずや未来につ
ながっていくことでしょう。(訳注:クリントンの演説は、日経ウーマ
ンオンラインの記事を引用。参考リンクに全文へのリンクあり)
最悪な年であっても、素晴らしいことは起こっています。
2016年は、アルツハイマー病の治療研究が前進した年
でした。このような研究は、アルツハイマー病を抱えてい
る人々の生活の改善、やがてはアルツハイマー病の治
療法の確立へとつながっていくことでしょう。オゾン層が
回復していることも今年は確認されました。気候変動の
進行によって将来起こるであろう食料不足に打ち勝つた
めに、農業の生産性をあげるためのテクノロジーの導入
も進んでいます。
年末だからといって、憂鬱になるようなネットニュースばかり
見ていないで、来年やるべきことを考えてみてはいかがでし
ょうか?2017年を良い年にできるかどうかは、私たちの行動
次第なんですからね!
参考リンク
コラムの中で触れられていた画像
https://memegenerator.net/instance/69609598
シリア難民の受け入れから一年が経過したカナダ
http://wanotewosekaini.com/newssum27/
史上最多の数の女性候補が当選した米上院選
http://www.asahi.com/international/reuters/RTR201211080051.html
クリントンの敗北宣言
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/110200009/112100016/?rt=nocnt (本文にて引用)
アルツハイマー病の治療研究の前進
http://www.asahi.com/articles/ASJ80659KJ80ULBJ00T.html
オゾン層の回復の確認
http://wired.jp/2016/07/05/ozone-layer-healing/
食料不足への、テクノロジーの活用
http://jp.techcrunch.com/2016/12/26/20161225will-technology-prevent-the-next-food-shortage-crisis/