若年性脳卒中サバイバーでバーダンサーのグレイシー・ドーランへのインタビュー
不定期に連載しているWe Dayのスピーカーへのインタビュ
ー。今回は若年性脳卒中サバイバーダンサーの 、グレイシ
ー・ドーランへのインタビューです。
https://www.we.org/2016/08/12/youth-gracie-doran/
まだ10歳という幼い時に、グレイシー・ドーランは若年性脳
卒中に襲われました。体の一部に麻痺が残りましたが、そ
んなことくらいでドーランが愛しているダンスをやめることはありませんでした。
ダンスへの強い思いが、病院での入院生活、そして退院後
の驚異的な回復後押をしました。いまグレイシーは、10代の
ダンスグループに所属しながら踊り続けています。障害のあ
る子どもたちを対象にしたダンス教室でダンス指導もしています。
グレイシーは、自身の体験を伝えていくことで、脳卒中への
意識喚起を行い、「脳卒中は、若くても起こりうる病気だ」と
いうことを伝えたいという想いがあります。その使命感も、ダ
ンスを続ける原動力になっているのです。そして、「人それぞ
れ違いがあっても、その違いを認め合いながら生きていこう」
というメッセージを伝えたいと思っています。スピーチの合間、
私たちはグレイシーへのー素晴らしいインタビューをバックステ
ージで行うことができました。グレイシーのダンスへの愛、また、
様々なチャレンジに立ち向かっている子どもたちへのアイドバイ
スなどを聞きました。
あなたがWE Dayにワクワクしている理由は何ですか?
『お話を頂いた時から、ずっと本番のこの瞬間を夢見ていま
した。WE Dayで会う人達のことや、スピーチで話すことをず
っとと心に描いてきました。WE Dayの最大の特徴、それは
メッセージです。大きなイベントは、たくさんあって、どれも
重要なメッセージを伝えているのですが、「Me to We」とい
うメッセージはとても重要だと思います。つまり、「自分のこ
とだけを考えていないで、他の人たちのことも考えよう。必
要な時は、その人たちのためにアクションを起こそう」これ
が重要なメッセージなのです。ここには刺激を与えてくれる
人がたくさんいます。私が想像した以上の刺激を受けてい
ます。。素晴らしい経験ですね。まさに夢が叶ったような感じです。』
快復のためのリハビリでなどをしていく中で、ダンスの再開
を決心したのですね。色々な難題に直面することもあったと
思いますが、どうやってモチベーションを持続させたのですか?
『家族や友人、特にコーチがいつもそばにいてくれて、「これ
からも挑戦しつづけよう」と励ましてくれました。私はじっとお
となしくしているようなタイプの娘ではありませんでした―い
つもせかせか何かやっていたかった。人から「やれないんじ
ゃない?」と言われても、何としてでもそれをやりとげようとす
るんですよ。私にもできるんだっていうことを、、証明して見せ
たかったから。たぶん、「もうダンスは無理ね」と言われた時に
は、踊れるところを見せたかったのです。それこそ私が愛し、
情熱を注ぐものだからです。』
なぜ、あなたの体験をWe Dayで伝えようと思ったのです
か?また、いろいろな人が、We Dayのような場で個人的
な体験を伝えていくということの意義は、何だと思います
か?
『脳卒中のサバイバーと聞けば、普通はもっと高齢の人を
想像するかと思います。私は、そういう意味では若者の脳
卒中サバイバーを代表しているという部分もあると思いま
す。「この病気は若年層にも起こることがある」ということを
伝えたいのです。前兆や症状に気付かなければなりません。
人の体験を直接聞くというということは、とても影響力が強く、
人を奮い立たせます。個人的な経験談で誰かが感動してくれれば、その
とき世界を変える手助けができる。それができた時、私は自分のためだ
けではなく、他の人や世界のために大きなことを成し遂げることができる
のです。』
あなたのパフォーマンスから、WE Dayに参加する子どもたち
に何を汲み取ってほしいと思いますか?
『人はそれぞれ違ったところを持っているということです。本
の表紙を見ただけで、その本の良し悪しを決めてはいけま
せん。見た目には同じじゃないかも知れないけれど、どんな
違いがあっても、みんな同じ希望や夢や目標を持っています。
誰もがみんな成功したいし、愛する人が欲しい。結局、違いが
人を素敵にしてくれる―「違い」は人を縛り付けるものではあり
ません。違いは、一人一人をかけがいのない存在にしてくれる
のです。』
(翻訳:翻訳チーム 松田 富久子 文責: 清田健介)