スタッフブログ:さすがフィリピンと思わされたエピソード
こんにちは。
フィリピン障害者支援事業 プロジェクトマネージャーの石田です。
3月24日から4月5日までフィリピンへ出張していました。
そこでの外出中に体験した「さすがフィリピン」と思うエピソードをご紹介します。
滞在先からフィリピン国立盲学校まで距離としては18キロしかないのですが、交通アクセスがよくないのでスムーズに行っても片道1時間半はかかります。まずは滞在先から気温35度の中を10分歩いて、そこから駅に向かうジープニーと呼ばれる乗り合いジープに乗るのですが、なんと途中でジープニーが壊れて動かなくなったのです!!
↑ジプニー
まあね、これくらいじゃまだ驚きません、こんなのときどき起きるんです。道路の真ん中で降ろされて、近くにいたジープニーに乗客は皆乗り換えます。もう1度運賃を払わなければいけないのかなと思ったのですが、駅まであともうちょっとだったのと運転手さん同士で状況を話してくれたのか乗り換えた先のジープニーの運転手さんは運賃をとりませんでした、優しいです!
最寄駅み到着。ここから電車に乗るのですが、普段なら4分間隔くらいで来る電車が10分くらい待っても来なくて、基本的に各駅しかないのに、ようやく来た電車は私たちが待ってる駅を通過!
「え、なんでだろ?」と言う私に、隣のガイドが、「たぶんこの先どこかの駅がものすごく混んでるんじゃないかな」と。
まあフィリピンにて駅員さんと運転手さんがそこまで緊密にコミュニケーション取ってるとは思えないのでたぶん何かのミスなのですが、電車が停止線を数メートル行き過ぎただけでニュースになってしまう日本とは違ってフィリピンは寛大です。
さて待つこと15分、次の電車は無事止まってくれました。車内はかなり混んでたのですが、わたしが座席前のつり革を持ってたら、誰かが無言で立ち上がって、わたしの腕を持って自身が座ってた隙間に引っ引っ張り込んでくれました、ありがとう。
ちなみにフィリピンの乗り物は座席に一人分のスペースが決まってるわけではなく、その隙間に入るだけ何人でも座ります!
電車の冷房で快適なのもつかの間、2駅行ったところで今度は電車が動かなくなる!!駅に停車したまま10分以上動かなくて、
車内放送による説明なんてしばらく行われないのが普通です!わたしはといえば、これ面白いから日本のみなさんに報告しなければいけないと思って、思わずフィリピン人たちが何分説明なしに寛大に待つか測りましたよ!
25分待ったところで電車が壊れたから運転を見合わせるとの放送。南へ向かう路線はこれしかないので諦めてバスを使うことになります。払い戻しを希望する人で精算機はごったがい!するとなんと!今度は精算機が壊れたのです!
いやぁ私たちはコントの中にいるのでしょうか?けっきょく払い戻ししてもらえず外へ。
バスに乗るときわたしの白杖を見て、運転手さんが中からたくましい手で引っ張り上げてくれました。この人たちお客さん乗せる時ちゃんと停車しないので、バスは観覧車のように若干動き続けているのです。
それにしても今わたし、バスの階段3段文くらい宙に浮きましたよ!手荒いよぉお兄さん!とりあえず、引っ張り上げてくれてありがと!!
さてバスはとにかく壊れませんでした、電車で行くはずだった終着駅で降りて、最後の盲学校の前を通るジープニーに乗り換えます。これまた私たちが乗るときもあまり長くは停車しててくれないのですが、わたしを見た路上で物売ってるおばちゃんが運転手さんに、「ハンサムなお兄さん、目の見えない子どもが乗るからちょっと待っててあげてよぉ」って声かけてくれました。今子どもって言ったな?とにかく、ありがとう!
タガログ語ちょっとでもわかるようになると、こういう周囲の優しさに気づけるようになります。いろんな意味でさすが途上国と実感する一方で、それを笑い飛ばす彼らの器の大きさと優しさ、そして思わず時計を見る自分の小ささを知ります。