ミンダナオ島先住民襲撃事件と緊急支援へのお願い

今年の7月頃からフィリピンの南に位置するミンダナオ島にて、何度か武装集団が先住民族「ルマド族」の村を襲撃したという事件が起きていますが、それが9月に入り激化し、武装集団が村を占拠し、村の指導者を射殺するという痛ましい事件が起きました。そのため、その村に暮すルマド族の人々は家を追われ何も持たずに、別の場所に避難し、現在も約3,000人の人々が避難先で暮らしています。

そこで、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、現地で活動するNGOを通じて緊急支援を実施しますので、ご協力をどうぞお願いいたします。一番最後に送金先情報を記載しておりますのでご覧ください。

では、ミンダナオ島ルマド族コミュニティ襲撃・虐殺事件についてフィリピンで報道された記事をお届けします。
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2015年9月6日 The Daily Tribune 記事から
http://www.tribune.net.ph/headlines/militias-afp-spawn-de-facto-mindanao-ml

最近のフィリピン南部ミンダナオ島でおきた、先住民族ルマド族の殺人事件が示す通り、事実上、戒厳令(非常事に全ての行政機関が軍部に統治権をゆだねる非常法)状態であり、そして、その責任はアキノ大統領であると、議員と人権擁護団体は述べています。

Lumad

バヤン・ムナ党のカルロス・サラーテ議員は、昨日のケソン市でのメディア公開討論で、アキノ大統領は、フィリピン国軍(AFP)の将校や予備軍が、先住民を脅かせていることについて見て見ぬふりをしている、と言いました。

サラーテ議員は、何千ものルマド族が避難させられた事件を調査しています。
「アキノ大統領は、両親の時代に、戒厳令の厳しさを経験しているにもかかわらず、ミンダナオでおきていることに無頓着です。ミンダナオで、フィリピン国軍(AFP)や、仲間を分裂させたり、支配したりする予備軍たちからのひどい犯罪、脅しに怯える先住民は、事実上、戒厳令下です」とサラーテ議員は言いました。

サラーテ議員によると、ある“破壊的で残酷”な事件が、12才の少女を含む、村の人々の目の前で起こったのです。
シーナ・カンポスは12才の少女で、そのメディア公開討論で、他の5人の証人とともに、父親のディオネル・カンポスが、9月1日、南スリガオ州のリアンガ、ディアタゴン村で、予備軍たちにどうやって殺されたかを語りました。

英語は堪能ではなく、タガログ語はトラウマのため、うまく話すことのできない目撃者のシーナに代って、MAPASU(ミンダナオ島での大規模鉱山開発に反対するキャンペーンを展開する民間団体)の女性リーダー、ウフェミア・クラマット氏は語りました。
「私たちはその朝、亡くなった老人を埋葬する準備をしていました。その日(9月1日)の前日、数人の兵士が来て、フィリピン陸軍第75歩兵連隊と名のり、調査の協力を求めてきましたが、喪に服していたので、丁寧にお断りしました。彼らは承知し、それですんだと思いました。でも顔見知りの予備軍たちが、真夜中から我々を監視していたのでした。」

「ディオネルとMAPASUのもう一人のリーダー、ジョビロ・シンゾがジョセフィン・パガランという人の家にいました。朝の4時、予備軍の案内で兵士が家々を探索し、ディオネルとジョビを見つけ、階段の下に座らせました。彼らはベレン・イタロという、ポリオにかかり、生まれつきの障害者の女性を捕まえ、ディオネルとジョビロのそばに連れて来て、蹴りました。」とクラマット氏は言います。

「兵士は、どっちが先に“あの世か”と言いながら、隣り合うように座らせ、ディオネルを撃ち殺しました。頭がふっ飛びました。そして、ジョビロも殺されました。」と続けました。

クラマット氏は、銃を持っていた者の中に、ボビーとロロイ・テジェロ兄弟がいるのを確認しました。2人はカンポスの身内であり、ルマド族であり、予備軍の新人兵士で、AFPの武装した兵士であるらしいのです。

同じ日の朝、「ルマド族の農業と生活発達のためのオルタナティブスクールセンター」の事務局長であるエメリト・サマカラ氏が、学校構内のある教室で、死体となって発見されました。彼の喉は片耳からもう一方の耳まで切り裂かれていました。
サマカラ氏の死にも、予備軍が関与し、裏には軍がいて、武器を供給しているといわれています。

人権団体カラパタンによると、軍関係者は、ルマド族の若者を新兵としてリクルートし、マガハット、バカニ、そしてマルコス・ボカレスという予備軍の部隊に属させ、武器と現金を与えあい、“兄弟から兄弟へ、武装の補強”が行われています。

「予備軍の新兵募集は今はじまったことではない。戒厳令の時代、政治家の私設軍として、過激な自警団として、予備軍が出現しました。」とサラーテは言います。「今、ルマド族の地域にも影響を及ぼしている予備軍は、フィリピン国軍(AFP)が支援し、AFPは鉱山会社からの影響を受けています。」とカラパタンの事務局長クリスチーナ・パラビィはデイリー・トリビューン紙に語りました。

ルマド族の土地は、今や鉱山開発企業のものとなっています。
1994年に鉱山会社ができ、主にルマド族の領土に進出し続けているのです。

一方で、自由党系のナンシー・カタンコ議員は、先週木曜日、別のメディア公開討論で、他のルマド民族の団体と共に語ったところによると、キリスト教会によって保護されたカンポス家と他の2人のルマド民避難者たちは、共産主義の新人民軍(NPA)と関連している左翼系の団体により、“影響され操られ”ていたと言います。

新人民軍(NPA)は、彼らのウェブサイトの情報が確かなら、ルマド族が元々住んでいた、北、南ミンダナオ地方は、毛沢東主義の暴徒兵の最も大きい拠点になっているようです。

カタンコ議員はまた、過激派のNPAや、バヤン・ムナ党やガブリエラ(女性問題や女性の地位向上のため活動する組織)関係者などが避難民たちを違法に監禁している、とさえ言いました。7月23日には、サラーテ議員とガブリエラの代表ルス・イラガン氏はカタンコ議員に招かれ会談し、ルマド族の避難民に対してダバオ市のフィリピン基督教団(UCCP)にある避難先収容所を出るよう説得することについて話しあわれました。

キリスト教徒は共産主義の過激派の構成員としてターゲットにされているのです。
上記の会談は結果的に、先住民族とカタンコ議員との対立が明らかになりました。カタンコ議員は、会談の後半ではルマド族同様に、やサラーテ議員やイラガン氏に対しても非常に侮辱的な言葉を述べるまでに至りました。

この出来事により、カタンコ議員はルマド族にとって、“好ましくない人物”のレッテルをはられることとなりました。
バヤン・ムナ党は、ルマド民族を擁護する立場でありますが、カタンコ議員によって今や違法な監禁の罪を問われています。

トリビューン紙のインタビューで、サラーテ議員は、ルマド族は本来、武器を否定する文化を持っていますが、「彼らの中には正義のためなら、NPAが提供する武器を使うことも仕方がないと考える人がいる」と言います。

「我々は、彼らが武器をとりNPAに参加することを決めても、彼らのことを責めることができません。なぜなら、この国の司法制度は疑わしいからです。そうでしょう?AFPは自分たちに都合の悪い状況になったり、反ルマドキャンペーンを実施する必要があるなら、うまくNPAの新兵を取り込み、AFPとして戦わせるのです。」とサラーテ議員は言いました。

「最終的に、これはNPAとAFPの問題に限ったことではありません。本当の犠牲者はここにいるルマド民族なのです。」とサラーテ議員は加えました。サラーテ議員はトリビューン紙に、カタンコ議員に割り当てられた「優先開発支援資金」について調べていると語りました。カタンコ議員はある予備軍に関与することでこの資金制度を使って利益を得ていた可能性があるからです。

(翻訳協力:FTCJ翻訳チーム 天海一菜さん)

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