東京都市大学で『子どもの権利から始まる社会変革』の講演をしました
事業報告/支援地域レポート

東京都市大学で『子どもの権利から始まる社会変革』の講演をしました

こんにちは。東京都市大学に通いながら、認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)でインターンをしている「りな」と「とも」です!

2026年7月16日、私たちの通う東京都市大学にて約70名の大学生を対象に、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン代表・中島早苗による講演を実施しました。テーマは「Change Starts With You 子どもの権利から始まる社会改革」。

私たちが通う横浜キャンパスでの開催ということもあり、私たちもワクワクしながら取材・参加してきました! 当日は学生たちが「自分にも社会を変える力がある」「自分らしい一歩を踏み出そう」と思う、熱量あふれる時間となりました。その様子をレポートします!

なぜ今、大学生に「子どもの権利」を伝えるのか?

「子どもの権利条約を知っていますか?」

中島代表からの問いかけに、学生の多くは「名前は知っているけれど、内容はわからない」と手を挙げていました。

現在、日本の子どものメンタルヘルスや生きづらさは深刻な課題です。2023年には「こども基本法」が施行され、社会全体に子どもの声を聞く姿勢が求められるようになりました。しかし、肝心の若者自身が「自分には権利があり、世界を変える力がある」と知らなければ、声は上がりません。

次世代を担う大学生が、子どもの権利を正しく理解し、自分の得意なこと(Gift)を生かして社会課題(Issue)に向き合うきっかけを作りたい。そんな想いから、今回の講演が実現したそうです。

認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン 代表理事・中島早苗
学生時代に環境保護団体に所属し活動を始めたことから社会問題に取り組むようになる。アパレル会社勤務を経て1997 年に渡米し、NGOでのインターン中にフリー・ザ・チルドレンの理念に共感。日本に紹介しようと帰国後の1999年に当団体を設立。以後、活動に従事。2022年から新潟市子どもの権利推進委員会委員に就任。

「条件つき」ではない、生まれながらの「人権」

講演での3つのポイントを紹介します。

1) 子どもの権利は「わがまま」を増やすものではない

まずは「権利」と「人権」の違いの説明がありました。条件付きの権利とは異なり、子どもの権利は「いい子にしているから」「成績が良いから」もらえるものではありません。誰もが生まれながらに無条件で持っているもの、それが「人権」です。

「権利を教えるとわがままになるのでは?」と懸念する声もよく聞かれますが、実際は正反対だと言います。自分には権利があることを知り、その権利が大切にされていると知った子どもは、自分だけでなく、他者の権利や痛みにも敏感になり、お互いを思いやれるようになります。

2)「子どもは未来ではなく、いまを生きる人間である」

子どもの権利条約の思想に大きな影響を与えたヤヌシュ・コルチャック(1878–1942。ユダヤ系ポーランド人の小児科医・作家で、孤児院で子どもと共に暮らしながら、子どもを権利と尊厳をもつ一人の人間として尊重した。その理念は、後の子どもの権利条約の基盤となった。) の言葉が紹介されました。

「子どもは未来ではなく、いまを生きる人間である。だんだんと人間になるのではなく、すでに人間である」

子どもはおとなの所有物でも未完成な存在でもありません。おとなの価値観で決めつけず、対等なパートナーとして、言葉にならない想いや沈黙も含めて受け止めることが出発点です。

3) 社会を変える魔法の公式「Gift × Issue = Change」

FTCJは、カナダの12歳の少年クレイグが「児童労働をなくすため、自分にもできることがある」と立ち上がったことから始まりました。世界を変えるのに特別な資格や大きな資金は必要ありません。

講演の中で私たちが特に共感したのは、Gift(好きなこと・得意なこと)× Issue(気になる社会課題) = Change(変化・アクション)の考え方です。

  • 演劇が得意 × 児童労働 = テーマにした舞台を企画!
  • フットサルが好き × 途上国支援 = チャリティ大会を開催して学校建設資金を集める!
  • SNSが得意 × フェアトレード = 好きなアイドル番組にリクエストを送る!

自分らしさと社会課題を掛け合わせることで、誰でも「自分ならではのアクション」を起こせます。

参加者の声:子どもの権利をどう届けるか考える

講演後のグループディスカッションでは、「子どもの権利を、どのように社会へ伝えていくか」 をテーマにグループに分かれて話し合いました。

単に「権利を守るべきだ」という抽象的な議論にとどまらず、SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)を活用するなど、具体的で実践的なアイデアが次々と飛び出しました。

学生たちから上がった具体的なアクション案

  • 日常空間でのアプローチ: 学校だけでなく児童館、公園、病院など、子どもが集まる場所にポスターを掲示する。
  • 定期的なカード配布: 「困ったときの相談窓口」を記載したカードを定期配布し、必要なときに思い出せるようにする。
  • SNS・ショート動画の活用: インフルエンサーの体験談と結びつけた発信で、自分ごと化してもらう。
  • 生徒手帳への掲載: 日常的に持ち歩く生徒手帳に掲載し、身近なルールとして意識させる。
  • おとな・保護者への普及: 子どもへ伝えるルートを確保しつつ、保護者や地域のおとなの意識を変える取り組みを並行する。

「知ること」から「どう届けるか」へ。参加した70名の学生たちが主体的に社会課題に向き合う時間でした。

取材を終えて:Change Starts With You(変化は、あなたから始まる)

(りな)

「大きな社会課題も、いきなり背負う必要はなく、自分の興味から少しずつ向き合えば良いことに気づけて、気持ちが軽くなりました。同じ大学の仲間が真剣に意見を交わす姿を見て、自分も何か始めてみようと思える前向きな力をもらえた時間でした。 」

(とも)

「学生たちが短い時間でも真剣に議論し、発表までしてくれた姿から、社会課題を自分ごととして考える姿勢の大切さを改めて感じました。子どもの権利を『まずは知ってもらう』だけでなく、本質をどう伝え、どう考えてもらうかを探る視点が広がれば、社会は少しずつ変わるはずです。完璧を求めて動けなくなるのではなく、小さな一歩でも踏み出そうと思える仲間が増えることが、確かな前進につながると感じた一日でした。」

今回の講演が、学生の皆さんの自信と希望につながっていれば嬉しいです。

教育関係者のみなさまへ、出前授業・講演のご案内

FTCJでは、学校や自治体・企業向けに「子どもの権利」や「子どもの社会参画」をテーマにした出前授業やワークショップを行っています。

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