【報告】「べてるの家」の取り組みから考える、日本における移民難民支援(We are the MOVEMENT )
事業報告/支援地域レポート

【報告】「べてるの家」の取り組みから考える、日本における移民難民支援(We are the MOVEMENT )

フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、大東建託グループみらい基金などからの助成を頂き、子ども・若者のソーシャルアクションイベント開催を応援する「We are the MOVEMENT 」を実施しています。

この度、プロジェクトメンバーからイベント開催報告が届きました!


 

【アクション実施報告】

2025年8月29日(金)に、今年7月に行った北海道浦河町での社会福祉法人べてるの家のフィールドワークの報告会「べてるの家の取り組みから考える、日本における移民難民支援」を行い、7人の方にご参加いただきました!

 

【企画・アクション内容報告】
前半は、フィールドワークに参加したメンバー3人が共通の関心として持っている日本における移民難民支援の現状や、今回フィールドワークを行った「べてるの家」の歴史・理念、精神医療における課題などについてお話ししました。



後半では、べてるの家の理念や取り組みが、どのように移民難民支援と関連し、生かしていけるのかという点について、フィールドワークに参加したメンバーが学びを共有しました。
学びとしては、当事者主体、支援・被支援の関係を超えて学ぶ姿勢、問題を社会化する、対話的であること、平和活動として取り組むこと、という五つを挙げました。


質疑応答・感想共有の時間には、べてるの家がはじまるきっかけになった「商売」について、精神障害を抱えた方々が商売をすることについて、日常生活だけでも大変なはずなのにさらに苦労が伴うのではないか?それはどういったところから大切にされているのか?といった質問から、べてるの家の「問題があればあるほどそれで順調!」といった理念の理解をさらに深めたり、実際にべてるの家に行って感じた「当事者主体」の活動についてさらにきかせてほしい、といった質問をいただき、スライドには盛り込みきれなかった経験や気持ちについてさらに具体的に共有することができました。

参加者のみなさんが積極的に参加して下さり、充実した時間になりました。

 
【参加者アンケート】
・収監したり管理したりすることによって問題を無かったように見せるのではなく、どこにどんな問題があるのか、どう向き合うべきなのかを一人一人のレベルで研究、対話をしていく中で、病名や国という括りで考えずに、その問題を社会の一員として共通する課題として捉える視点を持つことが大切だと感じました。

・「問題を社会化する」というところで、当事者研究について話されていて、研究という一歩引いた目線で伴走するという視点にハッとさせられました。知的障害者の方の生活する施設で働き始めて2年になり、利用者さんに向ける目線や声かけが入れ込み過ぎて、しんどくなっていたところがあることに気がつきました。

・対話のために「家族や友人との紛争を大きな紛争に置き換えてシミュレーションする」という言葉が印象に残っています。なるほど!と思いつつ、まだ具体的にイメージできていないところも多いですが、実践したいです。プレゼンを通して、前向きな気持ちになりました。
・一見違う課題(支援)だと思っても、どこかでつながっているというお話が感銘を受けました。

 

【企画を実施してみて】
今回の報告会を通して、私たちがべてるの家で学んだこと・気づいたことを他の方にも共有し、とても豊かな時間を過ごすことができました!
報告会の準備の段階では、フィールドワークで学んだことについてメンバー内で振り返り、どうすれば他者に伝わるか言語化する時間を持てたため、自分たちの考えも整理されました。
報告会の最後の質問・感想共有の時間では、参加者からの問いかけにより、私たちにはなかった視点を得て、さらにフィールドワークと実生活の繋がりについての考えを深められました。そして、参加者の方もご自身の生活やお仕事など、身近なところでどんな風にべてるの家の取り組みが生かせそうか、と考えてくださったように感じました。双方向の交流により、私たちの経験が他の人の考えや生活に還元される可能性を生み出せたことを嬉しく思います。

 


※本企画は、大東建託グループ みらい基金の助成、認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの
運営補佐のもと実施されている、「We are the MOVEMENT」の一環として開催されています。
「大東建託グループみらい基金」による助成ご協力に、心より感謝いたします。