【報告】「SDG4教育キャンペーン2021」子ども・ロビイングメンバー向けオンライン研修
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、すべての人々が教育を受ける権利を受けられるよう、持続可能な開発目標(SDGs)の教育目標の達成を目指す「SDG4教育キャンペーン」に、本年も実行委員として参加しています。
本年の「子ども・ユースロビイングメンバー」の顔合わせと今後のロビイング活動への準備を兼ねたオンライン研修会を、5月23日(日)14~18時に実施しました。本年の研修も当団体が主体となって運営し、キャンペーン事務局である開発教育協会(DEAR)、同じくキャンペーン実行委員であるラオスのこども、ワールド・ビジョン・ジャパン、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのスタッフも運営補佐としてご参加・講演いただき、スタッフ・ロビイングメンバー合わせて30名が参加、導入・ディスカッション・提言案作りの3部構成で実施しました。
参考:昨年の研修報告 「SDG4教育キャンペーン2021」実行委員会所属団体一覧
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第1部:導入
SDG4教育キャンペーンの沿革・趣旨説明、安心の場(セーフスペース)作りのためのルールづくり・確認、自己紹介とアイスブレイクを兼ねたワークショップ「オープンセンテンス」、今年実施した政党アンケートの質問に関する解説(各政党からの回答や質問の背景説明など)をキャンペーン実行委員会各スタッフが行いました。(詳細は各リンク先参照)
参考:当団体ブログの政党アンケート解説記事
補足:オープンセンテンス
話し手と聞き手の2人1組になり、「私が喜びを感じる時は…」など、お題として与えられた文章の書き出しに対し、所定時間内に自分の経験や考えなどを自由に繋げて話すことで、お互いの人となりを理解しあったり、自分のことを相手に伝えたりするワーク。(相手が話している間、聞き手は傾聴に徹する)
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セーフスペース(各参加者が安心して対話・ディスカッション・作業を行えるようにするためのルールづくり)
(C)JNNE/FTCJ
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キャンペーン概要説明 (C)JNNE/DEAR
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政党アンケート解説 (C)JNNE/Save the Children Japan
第2部
各メンバーがそれぞれどのような問題意識や考えを持っているのか共有して相互理解を深め、ロビイングの際に提言する内容や、配布する資料に記載する主張内容などを第3部でまとめていくため、
・ロビイングメンバーに応募した理由や活動目的、目標
・教育を受けること、それを支援することやSDG4を達成することがなぜ必要、重要なのか(教育問題全般に対する問題意識)
・本キャンペーンで政党アンケートの6つの質問それぞれに対して、どのような問題意識や考えを有しているのか
といった話題に関するブレイクアウトセッション(数名ごとに分かれたグループディスカッション)を行いました。各グループにはキャンペーン実行委員会のスタッフも入り、参加者の意見や疑問に合わせて問題の背景や補足説明なども行いました。
ディスカッションは、全員初対面ながらも円滑に発言順を決めたり、「~さんと同じ考えで…」と発言中に相手の名前を呼び合ったりするなど、全員積極的にチームビルディングを意識しながら話し合うことができていました。
それぞれのブレイクアウトセッションでは、
・「政治家の方に直接メッセージを届けたり働きかけたりする経験をしてみたい」「アクションの幅を拡げたい」(応募理由・活動目標)
・「教育は社会を形作り、変えていくための全ての基盤になっている」「将来の可能性を拡げたり、生きていくための正しい選択をできるようにしたりするには教育が不可欠」(教育問題全般に対する問題意識、教育が重要な理由)
・「アンケートは行われているとはいえ、外国にルーツを持つ友人やその家庭はやはり取り残されたり取りこぼされているような場面が日常生活の中で度々ある」(質問2)、「国際社会の模範となっていくという日本政府はコメントしているが、国際社会、特にG7の諸外国と足並みが合っていないのは矛盾しているのではないか」(質問6)
といった意見やコメントが出ており、振り返りでは「自分には無い目線や考え方を知ることができた」「同様の考えを持っている仲間が居て嬉しかった」といったコメントがありました。
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ディスカッション中はデジタルホワイトボード「Google Jamboard」を併用しました。
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第3部
第2部のディスカッションを踏まえ、提言・主張したいメッセージを、政党アンケートの質問別にまとめる作業と、ロビイングに関する解説を行いました。
「SDG4教育キャンペーン2021」が3月に主要政党6党に行った政党アンケートは、以下の6問/分野で構成されています。
- 質問1 日本の教育課題:子ども参加・子どもの意見の尊重について
- 質問2 日本の教育課題:外国にルーツを持つ子どもについて
- 質問3 日本の教育課題:ジェンダー・多様性について
- 質問4 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育を後回しにできない基金」(ECW)について
- 質問5 国際的な教育課題に対する日本の支援:「教育のためのグローバルパートナーシップ」(GPE)について
- 質問6 国際的な教育課題に対する日本の支援:教育を受ける権利・学校保護宣言について
※各問の背景や解説の詳細は各リンク先または当団体ブログ内の解説記事をご覧ください。
提言・主張メッセージの作成作業は、各メンバーが自分が最も強い問題意識を持っている(最も提言したい)質問グループへ移動し(複数の質問を兼任してメッセージを作成することも可)、同じグループ内に集まったメンバー同士で雑談や話し合いを交えながらメッセージの文章をGoogleスプレッドシートに記入し合うという流れで行いました。(Zoomのブレイクアウトセッションを、「参加者が任意のルームに参加できる」よう設定)
第2部と同様、各質問のグループにはキャンペーン実行委員会(質問の分野を専門とする団体の)スタッフが入り、メンバーからの質疑応答や補足説明など行いました。
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政党アンケートの質問ごとにグループに分かれ、オンラインで話し合いながら提言・主張メッセージをGoogleスプレッドシートにまとめていきました。(C)JNNE
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4時間の長丁場でしたが、メンバー全員が講義内容や他のメンバーの発言などを積極的にメモを取ったり、初対面ながらもメンバー同士でモチベーションを高める声掛けをし合ったりするなど、(スタッフ含め)全員にとって楽しく・有意義な研修になったと思います。
6~7月にかけて順次ロビイングを実施していく予定なので、短期間ではありますが、今回のロビイング活動がそれぞれのメンバーにとって良い経験になるよう、引き続きサポートしていきます。