本紹介 『イクバルの闘い』
こんにちは、翻訳チームの浅田紀子です。
今日は、本の紹介です。
『イクバルの闘い』世界一勇気ある少年
フランチェスコ・ダダモ/作
荒瀬ゆみこ/訳
すすき出版 1470円
イクバル・マシーとはクレイグがフリー・ザ・チルドレンを設立する
きっかけとなった男の子です。
彼は、4才でカーペット工場へ売られ、10才で工場を脱出し、児童労働を
なくす活動をしていたのですが、12才で彼の活動をよく思わない
マフィアらしき人に射殺されました。
これはそのイクバルについて書かれた本です。
この本はイクバルの目線ではなくて、架空の少女「ファティマ」という
女の子の目を通してイクバルが描かれています。
カーペット工場では、一日何時間も働かされ、「お墓」という地下牢で
罰を受けることもあり、子ども達は「僕たちの一生はここで終わる」と
肌で感じます。
そこに、イクバルがやってきます。
彼は他の子たちとは違いました。
「ここから脱出して、仲間を助ける」
彼のこの強い気持ちと命懸けの行動が、みんなが持ってた
「あきらめ」を「希望」に変えていきます。
この本はイタリアの児童文学作家、フランチェスコ・ダダモさんによって
書かれ、新聞に載っていた小さな記事と写真から想像をふくらませ書いた
フィクションですが、私は、この物語に近いものがあるのではないかと
思います。
以下の動画が生前のイクバルです。脱出してから亡くなる前の映像なので
10才~12才くらいだと思います。
本当に勇敢で素敵なヒーローです。
http://www.youtube.com/watch?v=t0D6K18wq8A
イクバルの意志をクレイグが継ぎました。
そして、クレイグの意志を継いだ子どもたちが
現在世界中に100万人以上います。
この地球上から児童労働がなくならない限り、
この意志を途絶えさせてはいけません。
そう思わされる本です。
エンパワーメントと教育の大切さも知ることができます。
難しい漢字にはルビが振ってあるので小学生高学年から読めますし、
大人の方にもぜひ読んでほしい一冊です。