子ども2000人が鉛中毒、違法金鉱採掘で ナイジェリア
【11月1日 AFP】ナイジェリア北部ザンファラ(Zamfara)州で、金鉱の違法採掘が原因で少なくとも2000人もの子どもたちが鉛中毒にかかっていると、州関係者が前月28日、明らかにした。同州ではこれまでに約400人の子どもたちが鉛中毒で死亡した。
5歳未満の子どもたち約2000人の血液から 世界保健機関(WHO)の基準を大幅に上回る量の鉛が検出された。近くに鉛を多く含む金鉱があることが原因とみられる。こうした金鉱のなかには、再三の警告にも関わらず、野ざらしのまま放置されたものも多い。
ザンファラ州では2010年、致死レベルの有毒鉛が報告されている。金鉱の違法採掘の過程で、周囲の村々に鉛の粉じんが拡散したことによるものだ。
同州の緊急対策チームによると、鉛中毒を発症している子どもたちは、鉛に汚染された8つの村に約2000人いるが、鉛の浄化作業は行われていないという。こうした子どもたちは継続的に鉛にさらされている上、処置の遅れにより、より大きな危険にひんしていると対策チームは懸念する。
鉛中毒の短期的な症状としては急な発熱、ひきつけ、意識喪失、視力障害などがあるが、中毒が長期におよぶと、貧血、腎不全、脳障害などを起こす。
だが、国境なき医師団(Doctors Without Borders)によると、地元住民は当初、金鉱採掘を禁じる事態に発展することを恐れ、鉛中毒による病人や死者が出ている事実を隠そうとしたという。
金鉱の違法採掘は、貧しい農村地域では農業よりも魅力的な収入手段となっている。(c)AFP/Aminu Abubakar
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2838521/8017121