インド警察の児童労働への取り組み

インド警察の児童労働の取り組みに関する記事を二つ紹介いたします。

http://www.abc.net.au/news/2015-01-31/child-slaves-in-india-rescued-by-police/6059384

120人の児童奴隷、インド警察によって保護――インド、ハイデラバード州――

現在、インドでは、情報提供者や人権活動家からの情報支援を受け、児童労働を行っている作業場に強制捜査に乗り出しました。先週の捜査では、220人もの子どもを保護、他の作業場で120人が保護され、31人の売人と仲買人が児童労働の容疑で逮捕、告発されました。

子どもたちは窓もない不衛生な環境下で生活をしていたため、低体重でやせ細り、心的にも身体的にも傷を負った上、病気を患っている子が多く見受けられました。救出を行った人の話では、この子どもたちは$100~$200足らずで貧困層の多いインド北東部の州から児童奴隷として売られてきたそうです。

強制捜査に密着取材した様子もテレビで放送され、その放送も相まって、今、インド国内では強制的に働かされている子どもたちを助けようとする動きが非常に強まっています。

インドで児童拉致相次ぐ

インドでは、1時間に11名の子供が行方不明になる計算だと言われています。その子どもの40%は行方不明のままです。その多くは暴力団による拉致が原因で、デリーやコルカタ、ムンバイなどの大都市では、暴力団にとっては絶好の拉致場所になっています。

農村部の貧しい両親を、割のいい仕事の話を持ちかけて誘い出し、その隙に子どもたちを買人に売り渡します。売り渡された子どもの多くは、食堂や工場などの手伝いとして働かされますが、強制的に売春行為をさせられたり、奴隷とされる場合もあります。400万人ほどの子どもがそのような状況下にいるとの政府は報告していますが、現実の数字はもっと多いと予測されています。

そんな子どもたちを救うべく、インド警察は、違法に子どもたちを働かせている作業場へ強制捜査に乗り出し始めました。児童労働撲滅への道は険しいけれど、この一歩は大いなる一歩であると評価できるでしょう。

(訳者:翻訳チーム 五十嵐かおり)