十代の起業家が、地域や世界に変化を起こしたいあなたに贈る五つのアドバイス
新年度も始まり、新しいことを始めたいと思っている人も多いかと思います。
自分の身の周りや世界を良くしたいと思っている人もいるでしょう。そんなみ
なさんに、カナダのオタワでホームレス支援を行っている十代の起業家から
のアドバイスを紹介します。ぜひ参考にして下さいね!(清田)
https://www.we.org/stories/ways-for-teens-to-volunter/
デイビッド・チウが北ケベックの先住民保留キャンプ地を訪れたのはまだ14歳
のときでした。そこでデイビットは、出会ったクリー族(訳注:カナダの草原地帯
に住む北米先住民の一つ)の若者たちの話を聞き、貧困状態で生活している
人々について考えるようになりました。
「彼らの多くが、孤立無援で、社会から見捨てられ、疎外されていると感じて
います。」
デイビッドはオタワに戻ると、貧困状態で生活している人々を助けたいと思い、
何をすればよいかとにかく考え、まずはホームレスの人たちに救援物資を届け
ることから始めました。
デイビッドはこのボランティアを通じて、映画製作をしている野心家の先住民、
ドゥキ、パーラメントヒル(訳注:オタワにあるカナダの国会議事堂)エリアで物
乞いをしているマギー、そしてホームレスのダララマ・デイブ(訳注:ダララマは
カナダの1ドル均一ショップ)と知り合いました。
彼らや他のホームレスたちと仲良くなるにつれ、デイビッドは彼らの境遇に対
してこれまでとは違った見方をするようになりました。人が路上生活をするよう
になってしまうのは、人生の複雑な出来事が絡み合って、その結果として路上
生活者になってしまうのだということに気付いたのです。デイビッドは、ホームレ
ス一人一人それぞれが経験した辛く悲しい人生の物語を知っていくうちに、ホー
ムレスの人たちに対するこれまでと違った新しい見方をみんなと共有したいと思
うようになり、彼らの話をインターネットに投稿することにしました。
「目指したのは、僕たち自身がホームレスの人たちとの間に作り上げてしまっ
た溝を埋めることでした。」
今デイビッドが取り組んでいるのは、カナダ国内でホームレスを助けたいとい
う思いを抱いている人たちが交流するためのアプリの制作です。その事業に
取り組むということが、、ホームレスの人たちを助けようという彼の決意の気
持ちをさらに強くしてくれるとデイビッドは考えています。
意志あるところ道あり―デイビッドの場合はきっと、「意熱あるところに
決意あり」に違いありません。
そんなデイビッドから、社会に変化をもたらす人になるための5つのアドバ
イスです。
1.「あなたの物語はあなたの歩いてきた道である。」
デイビッドの熱意はホームレスの人たちと直接ふれあうことにより強くなり
ました。彼のケベックでの交流がその最初の一歩で、それから心を掻き立
てるような人生の物語をたくさん聞くうちに、デイビッドは自分が何か行動
しなくては、と決心したのです。
「僕が聞いてきたすべての物語が背中を押してくれました。」
2.「他人から言われるがままではいけない、何が正しいかは自分で判断する。」
デイビッドが若くして非営利事業をなんとか立ち上げた背景には良き指導者か
らのアドバイスや友達のサポートがありましたが、何か違うなと自分が感じたと
きは、その気持ちに従いました。
3.「まわりの人たちとつながる。」
デイビッドは、ただ見ているだけの人たちに関心を持ってもらおうと、公共の
場で集会を開き、交流イベントでは短い時間で分かりやすく活動をアピール
し、国じゅうの友達に同じようなアクションを起こそうと呼びかけました。
「自分の経験をシェアしたり自分の活動を伝えたりして初めて、人生の困難を乗り越えるための力になってくれる人に出会うんです。」
4. 「サポート体制を作る。」
当初、デイビッドの非営利事業の組織体系は階層式―つまりデイビッドやその
側近が全てを決めて周りの人がそれに従っていくというトップダウン方式でした
が、これが最も痛手だった戦略ミスの一つでした。
「ビジネスがうまく行くのも大事ですが、友達として、しっかりと関係を築き、
支え合っていくことも大事です。そうすることでみんなが自分を信頼してくれ
るようになるのです。」
5. 「活動によって変化がもたらされる人たちと、できるだけ多く一緒に過ごす」
デイビッドは活動を通じて知り合ったドゥキやマギー、ダララマ・デイブたち
が不安に思っていることをちゃんと理解しようと努力しました。「当事者であ
る受益者を理解することです。それだけでなくいっそのこと仲間に誘って一
緒に活動しましょう。」
(原文記事執筆:サラ・フォックス 翻訳:翻訳チーム 山本晶子 文責:清田健介)