Q:子どもの権利って? A:世界中のすべての子どもが、生まれながらにしてもっている人権のこと。詳しくは、「国連子どもの権利条約(以下、子どもの権利条約)」で保障されている内容です。 Q:子どもの権利条約ってどうやってできたの? A:今から300年前のヨーロッパでは王様やお金持ちの貴族がいばっていて、人々を支配し不平等な時代でした。でも、そういった状況はおかしい!と人々が異を唱え、立ち上がり、18世紀後半には「人間は、すべてひとりひとり平等で、自由や幸せを求める権利を持っている。」という考え方が広まっていきました。こうして、フランスでは人権宣言が1789年にでき、アメリカでも人民の権利と平等をうたい政府をつくっていきました。しかし、この頃は、おとなの男性にのみ権利が認められ女性や子どもには権利は認められていませんでした。  その後、第一次世界大戦がおこると、たくさんの子どもが殺されたり家を失ったりして犠牲になりました。こうしたことを反省し、国際平和のために「国際連盟」が設立されると、「子どもを守るのは人類全体の責任である」と考えられるようになり、1924年に世界で始めて子どもの権利に関することが盛り込まれた「ジュネーブ宣言」がつくられました。そして、子どもを権利の主体ととらえ、子どもにとっての最善が何かをまとめた「子どもの権利宣言」が1959年に国連でつくられました。  それでも、世界では争いや貧困のために搾取され、物のように売り買いされ、虐待を受ける子どもがたくさんいることが国際児童年の1979年に、国連で報告されました。こうした背景から、世界の子どもの幸せの実現のためには、「宣言」ではなく、各国政府に法的な義務が生じる「条約」にしよう、と提案され、世界の人々が国連に集まって10年以上かかって1989年11月20日にできたのが、「国連子どもの権利条約」です。国連総会に集まった全ての国が賛成して、採択されました。 Q:子どもの権利条約ってどんな内容? A: 世界中の全ての子どもが、子ども時代を自分らしく健康的に安心してゆたかにすごせるよう54の条文が書かれています。子どもの権利を守るための、国(政府)の義務、親や社会、子どもの役割、子どもが持つ特有の権利などについて記されています。 Q:すべての国が条約を守るって約束しているの? A: 2011年現在、ソマリアとアメリカ合衆国の2つの国を除く、世界中のすべての国が「子どもの権利条約」に賛同し条約を受け入れると約束しています。このように、国(政府)が条約に賛同し条約の内容を守ると約束することを「批准(ひじゅん)」といいます。条約を批准(ひじゅん)した国は、法的に条約を守る義務があります。