代表挨拶

フリー・ザ・チルドレン・ジャパン代表中島早苗

 

みなさん、こんにちは!フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの代表の中島早苗です。私は、カナダで誕生したFree The Children(フリー・ザ・チルドレン/現WE)の理念に共鳴し、日本の人たち、特に子どもや若者に紹介したいという思いから1999年にフリー・ザ・チルドレン・ジャパンを設立しました。

 

Free The Children(フリー・ザ・チルドレン)との出会い

It Starts With Me(自分から始まる)” という見出しの記事

私がフリー・ザ・チルドレンに出会ったのは、1997年にアメリカのNGOでインターンをしていた当時25歳の時でした。NGOの事務所にあった雑誌を読んでいると“It Starts With Me(自分から始まる)” という見出しの記事がありました。それは、カナダ人の「クレイグ・キールバーガー」という少年が、若干12歳で貧困から子どもを解放するために、Free The Children(フリー・ザ・チルドレン)という国際協力団体を設立した、という内容でした。

団体のモットーは「子どもが子どもを手助けすることで世界を変える!」
という、私にとっては衝撃的なものでした。

「貧しくて学校に行けずに働かされる子どもが世界にはたくさんいることを知って、同じ子どもとしてほおっておけなかったんです。子どもに関することは、子ども自身が関わって解決されるべきで、子どもの参加の権利は、子どもの権利条約で保障されています。だから、子どもによる子どものための国際協力活動を始めるのは意義があると思ったのです。」と、創設者のクレイグ少年の言葉がありました。

私は、12歳のクレイグくんの行動力と勇気にとても感動しました。一方で、「子どもに本当にできるの?!」という疑問も浮かび記事を読み進めると、この問題に真剣に取組むクレイグくんや仲間のまっすぐな思いや、貧困で学校に行きたくてもいけない開発途上国の子どもたちへの教育支援を行っている様子がわかり、とても感銘を受けました。

 

タイで物乞いの少女に出会って

米国NGOでのインターン前にアパレル企業で働いていた頃、私は出張でタイに行ったことがありました。初めての東南アジアへの訪問にワクワクしていたのも束の間、小さな女の子が近寄ってきて、物乞いをされ、うろたえました。デパートやホテルが美しく立ち並び経済成長を感じさせるバンコクの街並みの陰で、5,6歳の小さな女の子や、赤ちゃんを抱える若い女性や、手足のない男性や、汚れた身なりの老人など、生きるために物乞いをする様々な人たちを目の当たりにして、衝撃を受け、混乱し、何もできず、でもいつか何かをしたいと思いその場を去りました。

いつか何かをしたいと思いつつも、何もできずにいた私は、クレイグくんの行動力に勇気づけられ、児童労働から子どもを守るために、おとなの私も何かアクションを起こしたいという気持ちが芽生え、寄付をしようとカナダのフリー・ザ・チルドレン宛にメールを送りました。すると、「日本の方からの連絡は初めてです!いつか日本の子どもにも活動の輪が広がることを願っています。」という返事を受け取りました。

メールの返信を受け取ってから、フリー・ザ・チルドレンの「子どもに関わる社会課題に、子どもが向き合い、子ども自身が取り組むことで世界を変える」という考えは、日本にこそ必要なのではないかと思うようになりました。その理由の一つに、私自身、中高生のときに「子どもが社会の課題に関わって変化を起こせる」なんてことは、思ったことも、考えたこともなかったからです。

 

フリー・ザ・チルドレンを日本に紹介したい

日本では、「他人に迷惑をかけない」ことや、「目上の人を敬う」、「ルールに従う」ことが大切だと親や学校から教わります。確かにそうかもしれませんが、時として和を重んじるばかりに、また、目上の人を気遣うあまり、問題があってもそれに対して声を上げたり、行動を起こしたりすることが難しい社会なのではないか。「空気を読みすぎて」意見を発言しにくいという風潮があるのではないか。

私自身、中高生の時、自分の意見を言えないし、社会問題に取り組んだことのない子どもでした。地域の課題や、学校のルール、先生による体罰など「おかしい」と思ったことがあっても、子どもは従うしかないと諦めていたし、それに対して声をあげようという発想がありませんでした。

でも、子どもは未熟かもしれないけれど、子どもだからこそ持っている発想やパワーがあると、クレイグくんや彼らの活動を知って強く感じました。子どもは社会の一員で、子どもには権利があり、誰しもがかけがえのない存在なのです。フリー・ザ・チルドレンを日本に紹介することで、日本の子どもに、「子どもには世界を変える力がある」ことを伝えたい。多様な考えや価値観があって良い。そして、日本の子どもが、子どもに関わる社会問題を知り、それらの課題に対して自分に何ができるかを考え、行動を起こし、子どもから世界を変えていく-。そんな社会が創れたらステキだなと妄想が広がり、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)を1999年に設立しました。

 

子どもたち

 

最初は活動する子どもが集まらずに、うまくいかないことがたくさんあり、失敗もたくさんしましたが、今では「世界を変えたい」とたくさんの子どもたちが活動に参加するようになりました。フリー・ザ・チルドレンのネットワークはグローバルに広がり、世界では300万人以上もの子どもや若者が参加するまでになり、世界一大きな子どもや若者によるネットワークへと成長しました。

 

「子どもは助けられるだけの存在ではなく、変化を起こす担い手である。」

 

私たちフリー・ザ・チルドレンは活動を重ねて、ますます、そう確信しています。子どもは未来だけではなく、今日においてもリーダーなんだと。

でも、子どもがリーダーになるためには社会や、まわりのおとなの手助けが必要不可欠です。年齢や立場、国籍や宗教や性別や文化や障害の有無に関係なく、一人ひとりが社会に必要な存在であると実感しています。それぞれの違いやユニーク性を出しながら、より多くの人と繋がることではじめて、みんなにとって良い世界は創れる。私たちフリー・ザ・チルドレンは、様々な方とつながりともに歩むことで、「誰一人取り残されない」世界を創っていきたい、そう心から願っています。

 

子どもたち

 

Together, WE change the World!

フリー・ザ・チルドレン・ジャパン
中島早苗